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大阪・千歳(ちとせ)温泉さん (生野区の銭湯)
ひらがなで「ちとせ」。漢字の屋号は長看板に「千歳温泉」と。むかしからの細い道路に「ゆ」の文字がうかぶ。夕暮れに湯けむりに。
(1293文字)
ちとせ温泉さん
ここは、大阪コリアタウンの近所。銭湯が三軒あります。むかしからの労働者のまちです。いちにちの終わりは「お風呂屋さん」へ。
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大阪市生野区鶴橋5-12-12
第1・3火曜定休
15:00~24:00
●もより駅は……
JR大阪環状線・大阪メトロ・近鉄電車
各線・鶴橋駅…徒歩約10分
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年の瀬に
あわただしい日常。一年の短さよ。
子どものころは、おおみそかに「ゆく年くる年」というテレビ番組がありました。どこのチャンネルもおなじ。さいごに除夜の鐘の音。
お店も会社も冬休み、ゆく年や、くる年に感謝をしながら。
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おとなになってくるにしたがって、季節感、とりわけ年末感はうすくなりました。便利な世の中になり……テレビがおなじ番組を放送する時代は終わりました。
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ちとせ温泉さん、千歳飴みたいで可愛いな。なんか年末年始っぽいし。
勝手に温存していた銭湯なのです。
「一年の垢を落とす」
そして師走。わたしは銭湯で「一年の垢を落とす」ことに。
こんなこと、令和のいまは言いませんね。いつから言わなくなったのかな。
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むかしは年末に大掃除と、家のメンテナンスを家族総出でやりました。
住む家も洋風になり、「ふすま・障子の張り替え」などの「ふすま・しょうじ」は、すでになく。電灯はLEDライトに、電球の取りかえもなし。こまごまとしたことは忘れました。おせち料理も作らなくなり久しい。
年賀状も、ほぼ書きません。
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じつは「一年の垢を落とす」なんて……わたしは、なんの苦労もなく、働いてもいません。それでも年越しの感覚と後悔だけは残っているのです。
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千歳橋のむこう
そう……わたしの家から、ちとせ温泉さんに行くには、橋を渡るのです。平野川に架かる「千歳橋」をこえて。
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この平野川は、かつて流れが、ぐねぐねと蛇行していました。風雨の季節は水害が多かったのです。
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大正時代に平野川を、まっすぐに改修。河川工事の労働者もこの地に住み、鶴橋の市場・商店街も発展しました。
いまも銭湯は、このまちに欠かせない存在なのです。
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湯船もたくさん
ちとせ温泉さんには、湯船がいっぱいあります。ささやかな、たのしみ。おおきなおふろ。とても天井がたかい。
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サウナは22:00まで。ご注意ください。
要バスタオル。貸しバスタオル50円。
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薬草ふろ・スチームサウナ・電気。
いっぱいの湯船で、一年の垢を落とそう。年の瀬にぴったり。
ぬるめの湯船があって、赤ちゃんのオモチャが置いてあるのもいい。
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千歳橋を渡って、ちいさな道をまっすぐに。自転車置場もないころからの銭湯。
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まちが暗くなってきた。
はんたいに、こころは あったかく。
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ちとせ、やちとせ……。
つぎの年も、またつぎも。
番組の「ゆく年くる年」は終わったけれど。
どんなひとにも
川が流れていくように……
あしたはやってくる。
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「銭湯」の日
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。
#年末の過ごし方