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大阪・日之出湯さん (生野区の銭湯)


大阪市内に「ひので湯」さんは数軒あります。そう、縁起よい屋号なので。きょうの「ひので湯」さんは生野区の「日之出湯」さんです。
(1675文字)


日之出湯ひのでゆさん

 大阪メトロ・小路しょうじ駅。字のとおりの「ほそいみち」のちいさな銭湯。それが日之出湯ひのでゆさんです。

 日之出湯さん
大阪市生野区小路東1-8-5
14:00~10:00
火曜定休

もより駅は……
●大阪メトロ(Osaka Metro)千日前線・小路駅…徒歩約5分

シンプルに「日の出湯」と書いた縦長看板のみ。夜はこれだけが目印です。銭湯がネオンで彩られるよりずっとまえの「お風呂屋さん」が、ここにはあります。



細いみちのお風呂屋さん

人通りも多く車も多い道路ぞい、守口平野線に日之出湯さんはあります。東大阪市のターミナル・近鉄電車・布施駅にちかい住宅地。


ここは、むかしの街道で道幅はせまく、自転車を停めるスペースもない。日之出湯さんは、外観だけで古いなぁ、とわかる銭湯です。

 日之出湯さん外観

真ん中に暖簾のれんの入り口。左右対照の壁に樹木。樹木があるところには、ちっちゃな庭とお手洗いが配置されています。
凹凸の「凸」を逆さにしたような、「T」の字のような床面積・造りの銭湯。
これぞ古典。典型的な「クラシック大阪型銭湯」。もはや銭湯の遺跡レベルです。


かわらないシンプルさ

無造作に停め置かれた自転車。
タイルの床と御影石が、下駄箱スペースで寝そべり、日之出湯さんの歴史を語ります。


番台の大将は男湯の脱衣所に降りて常連客と語らう。ずっと大将が番台にいたのはむかしだけ。いまは、女湯の引き戸があくと番台にもどってきます。
「令和の配慮」ノスタルジックな針の体重計が教えてくれた。

常連さんがつどう銭湯。浴室入り口に風呂オケが重なり、水鉢で足を洗う。やはりこの作法。水鉢がある銭湯、ほんとにすくなくなりました。


こじんまりと深い湯船。麦飯石の湯とあります。電気ぶろ・ジェットバス・ブクブク超音波。コンパクトに、ひととおり。


シンプルに入浴。オカマドライヤーを使っているマダムがいる。頭からカポッとかぶる、ヘルメットのような20円のドライヤー。そうそう、この光景。

ふゆの椿 女湯の庭


サウナ早じまい

日之出湯さんの客層は、おわかりですね、100%地元の常連さん。しかも営業終了が午後10時です。


サウナも早じまい・午後5時まで。それで、夜に行くとサウナ室が真っ黒でした。まちの銭湯で常連さんが、サウナを使わないならこれでよいと思います。
ムダがなく、いさぎよし。


マダムのみなさま、晩ごはんまでにお風呂に入ります。服を着て、ほっこりと満足フェイスで。
「鍋を持って、関東炊かんとだき (おでん)買いに行こかな」
「商店街のはずれの店、自転車でスグ」
「アジが、しゅんで(しみこんで)ウマイんや」
「1個120円」「そろそろ帰ろか」

関東炊き レア看板

「かんとだき」ひさびさに聞いた。むかし大阪では、おでんを「関東炊かんとだき」と言っていました。


マダム井戸端会議をダンボの耳で聞くわたし。こんな地元情報を聞くのがおもしろいのです。

ゆあがりピンクのほっぺで

鍋を持参で、おでんを買いに。そうでした、お豆腐も鍋持参。コンビニのおでん、彼女たちには眼中にないのです。コンビニすら出現していないのかもしれません。


大日之出だいひので

昼間は銭湯だとわからない、壁だけの日之出湯さん。名前は日の出だけれど、夜のほうがステキな銭湯ですね。


日の出もあれば日の入りも。人生のきまったくりかえし。
明けない夜はないと歌ったグループもあった。陽はまた昇ると、歌ったひとは、星のひとになり。

今年は、たくさんの歌い手が旅立ちました。

日之出湯さんの常連マダムのみなさんの陽気な声が、きょうもまた。
まちが暗くなっても。

日の出と日之出湯さんが、あるかぎり。


下駄箱の鍵のメーカーは「大日之出」さん。


縁起いい。 また、あした。


毎週土曜日は
「銭湯」の日

いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに


さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。

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