珈琲道・コーヒーロードにセクシィばぁちゃん
漢字三文字。珈琲道。コーヒーの道。
きっと、ピンセットで気に入らぬ珈琲豆を、はじき出してるに違いない。コワモテのマスターが。
笑う焙煎機
ハードル高そう、コーヒー専門店というのは。
よく見れば「珈琲店」。
入り口の、おおきな焙煎機の先のコーヒーロードは、どこへ続くのか。
さっそく入ってみます。
コワモテマスターの声が聞こえ…ない。
あれれ、女性の高い声。
カウンターで、お客さまとの話し声。「おおきに、ありがと。また来てね」
屋号からの妄想は即、はじき出された。
焙煎機に写る、つやつやのマダム。
「コーヒーロードにセクシィばぁちゃん!」
そう、サザンオールスターズの歌にあったような、ゆるい曲調の。コーヒー版だ。そんな感じ。
たぶん、焙煎機に笑われた。
祝50年ほほえむマダム
「ワタシ75歳なの~」
わたし以外に客はゼロ。
ほがらかな声だ。祝50周年のお花が見えた。
歳が丸わかりですが。
オチャメなマダム。なかなかのセクシィ。
歳とともに寡黙になる女性は多い。
これからの女性は、歳とともに輝きが増し長い人生の道を進むだろう。
堂々とじぶんの歳をいうべき。
セクシィばぁちゃんの時代が来た。
加齢で枯れてはいけない。
マダムは華麗に歳を経る、人生は珈琲道。漢字だと硬く感じる、片仮名で、コーヒーロードとともに。
また焙煎機が笑う。
艶めいた雰囲気は、接客業だから?
プライバシーも寄る年波も、お構い無しに話しかけられる。
マダムからあふれる、話が大好きオーラとアロマ。
初来店の、わたしは混乱するばかり。コーヒーとミックスサンドを注文するのが精一杯。
コーヒーロードの50年。まっすぐな一本の道を感じます。
しかし、わたしからは尋ねていない。
暖炉とコーヒー豆
立派な暖炉がデン。
「むかしは本当に火を入れていたの」
お宝とセクシィばぁちゃん。
カッコいい、取り合わせ。
ママというよりは、マダムの雰囲気。
コーヒー色の店内に、こんなステキな、お宝があるとは。
珈琲豆のビンにも圧倒される。マメに働いてる。
珈琲道は暖炉に続いていたのだ。
歴史の色と艶
調度品の色と艶。コーヒー色やら、煉瓦色やら、琥珀色が、ないまぜになって目と鼻を驚かせる。
もちろんマダムの年齢もだけど、珈琲の香りが、お店にしみこんでいる。
きのうきょうでは出せないアジ。
50年は、すごい。1972年開業なのだから。
昭和47年、たくさん出来事があった。
グアム島で元日本兵が発見。
札幌オリンピック、沖縄返還……
「ベルばら」・「ドカベン」連載開始。
「太陽にほえろ!」放送開始……
出来事はWikipediaで確認。
懐かしい。わたしは小学校3年生。
運ばれてきたサンドイッチ、
二人前じゃないか?
「うちは量が多いのよ~」マダムの声に唖然。
「サラダのドレッシング、アタシの手作り。
オイシイでしょ~? 孫も大好き。
嫁が美味しいって、もらいに来るのよぉ。
だから、ボールにいっぱいつくる。
適当に作ってるけどね。味付けも気分しだい」
わたしからは、尋ねていない。
珈琲道を進むのは大変
食べきれない。近頃のオシャレなカフェの量に慣れたせいか、喫茶店の量はハンパない多さ!
町の喫茶店は、いろいろあふれてる多いのです。
気分しだいで攻めないで。
お話好きのマダムは、ニコニコと。
ほんと、セクシィばぁちゃん。
キュートだし、華もあるし。
今日は帰ろう。
冬彦さんが来そうだから。
いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。
最後までお読みくださり、
ありがとうございます。
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