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天上のバレエ・地上のダンス(50)リセットのしかた
高校でモダンダンス部に入るも、やっぱり、やりたい踊りと違う。
中途半端なきもち。わたしは、リセットのしかたを知らなかった。
人にみせるダンス
バレエは劇場の舞台で人にみてもらうダンス。衣装は豪華だけど、バレリーナ全員が同じ動きができるよう地味なレッスンを続ける。
厳密な手足のポジション(位置)も、動く軌道も決まっています。そう「型」がある。
高校の部活のモダンダンス。習ったのは、人にみせるというより、じぶんの内面を掘り下げる。
心のなかを、心象風景というのかな、そんな漠然とした表現。なにやら難しい。
うすっぺらい自分が、表現するものはないのだ。こまった。
これ以上、暗くなったりしたくない。どうしたらリセットできるのか。
派手にみえるバトン部
となりでは、バトン部が練習している。笑顔だ。同じダンスなのに動きがわかりやすい。ハッキリ、くっきり。
バトン・トワリング。れっきとした競技なのだ。当時はダンスのカテゴリなど、わたしはわからなかった。
まだエアロビクスなどもマイナーだった頃なのです。
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見た目が派手なダンス。関西人なのか、わたしは派手な動きが好みだとわかった。パキッとした動きが心地よい。
コメットさんよりカッコいい。バトンをくるりん、魔法使いのようなドラマやアニメ。ちいさいころに見たテレビ。
「バトン部、いいなぁ」
高校野球・スポーツの応援、チアダンス。明るく楽しそうだ!
モダンダンスは地味。ううう。
内面表現のダンスのよさがわかるのは、もっとマトモなひと。
わたしは踊るの無理。
……入るところを間違えた……。
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あいさつ
ちょっと待て、やめたらアカン。
高校の部活は人数が多い。文化教室のバレエは四人だったのに。
モダンダンス部、30人ぐらいいました。なんか不思議な人数。
いまならわかる。舞台や演劇・音楽・フィギュアスケートなどをやっている人は、基礎としてバレエやダンスを習うのだ。必修科目として。
なんらかの目的や補いとし通過点としてダンスを踊る。なので人数は多いのだ。
わたしはバレエが好き。バレエに、かえりたい。
あの文化教室の先生に、もう一度よろしくお願いしますと言おうか。
そんなこと、できなかった。
やめるときに、キチンと挨拶をしていたら、バレエに戻れたかもしれない。
あいさつに始まり、あいさつに終わる
どこの世界でも挨拶が大事。
セットとリセットのしかたは、ひとつ。
無言でフェードアウトする人間はそこで終わりなのだ。
もうすこし部活を続けよう。
ひとり、存在感のある先輩がいた。それだけ。
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「バレエ・ダンス」の日
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。