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大阪・錢屋カフヱーさん

 これは字面だけで、ご機嫌さん。カフェーですもの。かといって悩ましいトコロでないクラシックの銭。これはセレブのカフェーかしらん。
(1603文字)


錢屋ぜにやカフヱーさん

錢屋は銭屋さん? 両替商かな、銀行か。
「銭屋カフェー」場所は上本町、いいところ。台地で電車が通り、はいからな百貨店があるところ。

錢屋カフェーさん
大阪市天王寺区石ケ辻町14-6
錢屋本舗本館103
月曜定休
(火・水)11:30~17:30
(木・金・土)11:30~22:30
(日)11:30~17:00

もより駅は……
●近鉄電車・|上本町《うえほんまち》駅…徒歩約5分
●Osaka Metro(大阪メトロ)・谷町線・千日前線~|谷町《たにまち》九丁目駅…徒歩約10分

古銭のロゴ


たてもの

1970年代・大阪万博のころ、そんなふんいき。メタリックなストライプと立体感。まだ和風も残りつつ。窓はそんなに大きくない。


2階のちっちゃなスチールのベランダ。ベランダが無くなるまえの最後の砦。窓を開ければ、クーラーが要らなかったころ。
そんな時代の……。

おおきな掲示板があります。勉強会やら、お料理教室やら。
1階はカフェ、上階はフリースペースのたてもの。
オープン・ザ・ドア。
おちつけ、おちつけ。ウキウキ、ドキドキ。


コーヒーとプリンを

テーブルにソファーがよりそう。おおきなテーブルには、きっとご馳走がならぶサイズ。

カウンター席もあり、夜はアルコールが楽しめる。さながら紳士淑女の社交場。ふわふわソファーにしずむ夜。

メニューにコーヒーチャート

フレンチプレス950円があります。
これはステキです。プリンといただきましょう。

プリンにあう、フレンチプレスのコーヒーは。スタッフさんにたずねます。やわらかい接客がありがたい。おとなの余裕、快適です。


ここでは早口で説明されたり、上からウンチクが降ることもない。下町の庶民のわたしも居心地がよい。


「イチバンブレンド」をすすめられ、そのとおりに。
イチバン、ニバン……。舌をかまずにすみました。コーヒーの名前、ほんとうに言いづらいので。



コーヒーカップに黒いものが

おおきなプリン・フレンチプレスのコーヒーセット、一式が音もなく上品に。
あれ、飛蚊症かしら?黒い点が見える。白いカップの内側に。
ゴマか、コーヒー豆のかけらか?
指でゴシゴシ、取れません。カップの生地に入り込んでます。


ならば、そのまま。
カップをとり替えてもらうまでもない。
デミタスカップ。プリンより、ちいさなカップです。
得した気分のエセ・セレブ。せっかくなので、ゆっくりと。

よく見ると点


天の川のオイルと星くず

コーヒーを、いただきましょう。
プリンも待ちくたびれています。
厚めのグラスにプリン。カラメルが宇宙のようにひろがる漆黒。

 キメがこまかい、絹ごしのプリンです。なめらか、しなやか、かため。たっぷりのカラメルの意味がわかります。


コーヒーは、宇宙にきらめくスターダスト。オイルに浮かびキラキラと。とても贅沢です。星くずというのは失礼かもしれない。
ラメのようなグリッターのような、シルバーのきらめき。


カップの秘密

じゅうたんのタイルもキラキラと。3杯の宇宙のきらめきを。
かなりの時間がたちました。


夕陽のかげが店内に。
錢屋カフヱーさんに夜が来る。
おいとまの時間です。手書きのおたよりやパンフレットを何枚か、カバンに入れて帰ります。

 たたみの我が家につくころは、すっかり冷えたお月さま。
手書きのおたより、パンフレットを読んでみる。

― 最高の普通を ―

 錢屋カフヱーではフランス製の業務用のカップを開店当初から使用していますが……

パンフレットより引用いたしました


業務用のカップ!それで黒い点がついてたのか……

汚れと思った。
ほっとした。

そして、親しみが。



毎週月曜日は
コーヒー・喫茶店の日

いつも こころに うるおいを 水分補給も わすれずに 

さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。

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