東大阪・ブルームさん「スキのない美しさ」
よくある「おしゃれカフェ」かと思いきや、花咲く渾身の米粉スイーツ。開花しつづける店主さんの思い。よくぞ、ここまで。
ブルーム(bloom)さん
大阪府東大阪市。大阪市の東に隣接する工業都市。
かつての飲み屋街・スナック街のなかで孤高に花咲くカフェがあります。
●最寄り駅は……
近鉄電車・布施駅(西口)…徒歩約5分
むかしの布施駅は、この近くにありました。駅は東に移転しましたが、商店街はそのまま。いまも住む人に寄りそっています。
商店街の西に枝葉のような「関西 浅草観音通り」
布施駅の移転前、昭和の頃は、さぞかし栄えたような通りがあります
門のたもとは、寂しい。
いまは立ち退きや更地の目立つ町角に。
かつての夜の町に花咲く、朝から営業の一軒家カフェです。
女性店主ひとりで
女性ひとりの店は意外と多い。だいだいは、パンやスイーツの持ち帰りが中心の店だ。
簡易型の容器やパッケージ……、ある意味、軽い。腰を据えて食べるという感覚にはほどほど遠いのです。
ブルームさんは、かなり大きく、しっかりした家。かなり改造しているようだ。
カフェ特有の軽さがないのは、むかしの家だからでしょうか。
無駄がないスキもない
「いらっしゃいませ。
お好きな席へどうぞ。ここで、ご注文をお願いします。
お食事ですか? スイーツですか?」
カウンターの奥、キッチンいや台所、厨房から女性の声。ムダがない。
おやつの時間でスイーツとコーヒーを。はやくも売り切れたスイーツもあるそう。
「米粉のワッフル」とポットティーを。ワッフルは好きなトッピング(ブルーベリー・ナッツ)を選べるとかで、ブルーベリーをお願いしました。
「お水は、そちら。セルフサービスです。」
ここまで、カウンター越しの厨房と客席側のやりとり。厨房から一歩も出ずに、オーダーと金銭の授受まで。
お客さまを、お迎え・席まで誘導する。メニューと、お水を運んで、オーダーを取りに行くなどの、よけいな動作がない。
すぐ調理や盛り付けに取りかかれる。
女性ひとり、よく考えられていると感心しました。
頑丈な一軒家
店内には、あと1組のグループがいるだけ。床・テーブルなど調度品は、重厚な感じの板。
むかし流行った家具「カントリー調」を思い出す。かといって西洋チックではないのだ。
中庭もある。廊下の端にお手洗い。ようやくむかしのお家と気がついた。
それにしても和洋折衷、うまく造っている。
かなり、いい家だな……。建物が気に入りました。
もともとは、料亭とか座敷のある飲食店のような、たたずまい。
「関西 浅草観音通り」の頃はどんなお店だったのだろう。
もしかしたら店ではなく住む家かもしれない。
ガラスの質感と木枠は、やさしいフィルター。やさしい光と空気に浄化してくれます。
純白の米粉ワッフル
ごはんのような、純白のワッフルのつや。アイスクリームとブルーベリー。
きめ細かく、コゲてない。スキがないスイーツだ。市販品のワッフルよりおおきい。
紅茶ポットは、ふたが丸いコルクだ。はじめて見る。
耐熱ガラスはキレイだし、残量もよくわかる。お店側にとっては、下げるタイミングもわかり、便利。
セルフサービスのお水が入ったジャグジー容器もガラス。これも、なくなったら、すぐにわかるので補充しやすい。
小さなピッチャーはオシャレだが細々とした仕事が増加する。
運ぶのと下げるのみ。
働く動作・導線、シンプルにムダがない
テーブルや椅子の安定感。ついつい長居してしまいます。調度品もスキがない。
キャロットケーキ
米粉100%のスイーツ。あるようでない、キャロットケーキ。米粉とニンジンは、どんなケーキになるのか。
カウンター席で、のんびり待ちます。
忙しい時より、思いきって休むぞ宣言をして、時間をたっぷりとって来店しましょうね。
ほんとうに、良い仕事をする調度品・小物の皆さん。ひとりの店主さんのサポートをしていますね。うまい。有能なスタッフです。
おなじ米粉のスイーツなのに、畑の土のよう。ゴロゴロっとズシッと。ニンジンが生地に、ねりこまれて、かすかに香ります。
ホワイトチョコが雪のようにフワッと大地をつつみます。
ニョキっと一本。若芽か新芽か。
なんだかストーリーがあります。
おいしい。米粉のニンジン。
ステキなたてもの。
いろいろな、たべもの。
手抜きなしの花咲くスイーツ。
渾身のスイーツって、いうのかな。
作るのたいへんだ、きっと。
みんないい仕事。
ありがとう。
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。