オンライン稽古①
前回の投稿から3か月、すっかり世の中が変わってしまいました。
まさかこのような事態になるとは、当たり前だと思っていた日常のはかなさに驚くばかりです。
3月の中旬から、海外のロックダウンのニュースや国内のイベント自粛のお知らせを耳にして、これからしばらくは今までのような対面での稽古が難しくなると思い、何かよい方法がないか考えていました。
そんなとき、仲良しの大学教授の方から教えていただいたのが、今やお馴染みのオンライン会議システム「zoom」です。
伝統芸能の稽古にどこまで使えるのか半信半疑でしたが、教授の「zoomはデートにも使えそうですよ」とのお言葉に、それならば地唄舞も画面を通して伝えられるのではと、大いに期待感を持ちました。
早速アプリをダウンロードし、伝統芸能の先輩や友人とテスト。
使い方も難しくないし、思った以上に画質もよく、いい感じです。
お弟子さんのご主人で映像のお仕事をされている方にも相談し、広角レンズやマイク、照明などの機材もひと通り揃えました。
同時に、お弟子さん方が「お稽古どうなるのかな」と不安に思われないよう、一斉メールにてオンライン稽古についてのアナウンス。
zoomの使い方なども書いていると、政府や企業向けの通訳をされているお弟子さんから、ストップがかかりました。
zoomはセキリュティに問題があり、出来れば別の方法でオンライン稽古をしてほしいと。
最近はずいぶんセキリュティ面での問題は改善されたとのことですが、3月頃はzoomの使用者が爆発的に増え、脆弱な環境だったようです。
それではと、また多くの方に相談して、いろいろなアプリのテストです。
セキリュティがしっかりしていると使い方が難しかったり、使用料が高額だったり…なかなかこれというものが見つかりません。
お弟子さんには年配の方もいらっしゃるので、あまり手間のかかるものは無理です。
そこでふと、年配の方が使い慣れてるものとして、LINEを思いつきました。
お孫さんの動画を見るために、LINEのビデオ通話はよく利用するという方が多かったのです。
お弟子さんにアンケートをとると、ほとんどの方がLINEのアカウントをお持ちでした。
複数でちょっとした会話を楽しみつつ…というのは難しいですが、個人稽古でしたらLINEの機能がじゅうぶん使えます。
LINEにてお稽古専用のグループを作り、そこから予約も出来るようにしたところで4月。緊急事態宣言が発令され、対面での稽古場は閉鎖しました。
(続きます)