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紐の締めかた、帯の巻きかたを変えると、きものの着心地がよくなります
きものを着はじめられてまだ日が浅いお弟子さん。ご自分で着るとあまりしっくりこないご様子なので、稽古のとき襦袢から着つけてさしあげました。
胸紐は交差させた背中側をしっかり締め、前のみぞおちの部分はゆるく。腰紐はゆるまないよう、後ろも前もかなりきつめに。
帯を巻くときは、下の折られてる輪の部分をきつく、上のみぞおちのところは隙間を空けて。
きものを着ていて苦しいのは、みぞおちのあたりを締め過ぎているのが原因であることがほとんどなので、襦袢の胸紐(伊達締めで代用も可)ときものの胸紐、それから帯の胴まわりの、いわゆるアンダーバストの位置がゆるいと、着心地がすっかり変わります。
お着せしたお弟子さんも「目からウロコです!」とびっくり、大喜びされていました。着崩れするのが嫌だからと、胸紐も帯もぎゅうぎゅう締めてたそう。
もちろん全部をゆるゆるにしていると着崩れするので、胸紐は、襦袢もきものも後ろの背中側をかなりきつく。帯は下部分の腰のところをきつく。また、腰紐がゆるいと裾が落ちてきてぐずぐずになるので、腰紐は「こんなに?」というくらいしっかり締めます。腰ですから、少々きつく締めても苦しくないですし…。
帯は、胴に巻く部分の上下を別に考えます。下の腰のほうさえしっかり締めていれば帯が落ちてくることはないので、上のみぞおち周辺はまったく締めません。私はこぶしが縦に入るくらい空けます。そうすると、帯枕の紐も指1本分ほど下におろすことができるので苦しくないし、帯揚げもしっかり帯の内側に入れることができます。みぞおち周辺を、胸紐、帯、帯枕の紐、帯揚げでぐいぐい締めていたら、それは絶対にしんどい…。
お弟子さんは舞の稽古のあと別の講座にお出かけになり、懇親会まで、かなり長時間きもので過ごされたとのこと。「こんなに自然で快適な着心地は初めてでした」とメールくださいました。きものをラクに着られると舞もますます上達される気がします。