開拓する と 戻す
一井優希さんの個人セッションをレポートします。
優希さんにナビゲートしてもらって、私が今やろうとしていることは、楽に心地よく発声すること。どこか力んでいて楽に発声できてないのです。力んで固くしている体の部位を、優希さんのアドバイスを受けながら、気づいてゆるませていく。ほぐれてしなやかな肉体から、本来の声を心地良く響かせられるように。
前回同様、アゴの脱力に取り組みました。ゆるめるワークも引き続き、頬に手の平を当てて下にゆっくりと滑らせていく動きです。どこにどんな力みがあるか知覚しながら行いました。
ワークやりながら、こんなイメージを持つよう意識しました。
川を 「開拓する」 じゃなくて 「戻す」
川を、人工的に工事して2本、3本と分岐させて発展させるのが「開拓する」イメージ。
水流をさえぎったり、水を濁らせたりする岩やごみを取り除いて、スムーズな水流や透明な水を、川に取り「戻す」イメージ。こちらの感覚でいようとしました。
どんなイメージを内面に持っているかによって、起こる反応が変わってくる、という優希さんのナビゲートなんです。優希さんは、言葉がもつ質感や微細な違いをとても大切にしながらアドバイスしてくれます。
私なりにやってみたのは
「開拓する」は、力づくで修正・変形する、と捉えてやらないようにしました。「戻す」は、今もってる力みに気づく、かなと。それを外してみたらどうなるか試す、無くてもダイジョブじゃね?というイメージでやりました。
その結果、起きた変化です。肉体的には
下くちびるの重みがわかる。それを感じるとアゴやベロの根っこが緩みやすくなる。
声の高さが低くなる。
発声時の声帯の動きがわかる。
音が起こる場所と響く空間を喉の辺りに感じる。
発声の感覚が、「声を出そう」から「振動を感じよう」に変わる。
心理的な変化(気づき)は
いやー、外面(ソトヅラ)作ってたなー。
外界に向けて顔の表情を作ってた。
口角を挙げて、目を見開いて、笑顔がクセだ。
下くちびるの重みを感じると、お口がスーパーへの字になる。
そのとき心の中にヒヤッと不安の風が吹く。
「こんな不機嫌な顔してていいのか?」
誰かと対面してるわけでないのに、ですよ。
ソトヅラの笑顔って、実は「緊張」だったー。
「不機嫌な顔をしてはいけない」と思い込んでいて、その深層にある思いと顔の表情が強固にリンクしているのでしょうね。スマイリーになってる顔に、日常でふとしたときに気づいてゆるめるようになりました。顔のゆるみがアゴ、ベロのゆるみに、そして響きの変化につながった気がします。
心身相関。肉体と心とはつながってるとヨガで実感してましたが、そこには声も入ってました。肉体・心と一体になって、声は、今の私そのもの、丸わかりでした。
声と響きの専門家、ご自身がステージに立つアーティストでもある一井優希さん。プロフィールはこちらが分かりやすいです。
レポートは主に自分の記録のためです。変化が感覚的なものなので、そのとき、そのときで記録しとかないと、どんどん消えていってもったいないのです。変化を言葉にして記録することで、変化が私の中で確かなものになりますね。また、優希さんのセッションに関心ある方が読んでくださって参考になれば、うれしくもありますね。