「Twilight Space online ―シンデレラ・ソルジャー―」最終話
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『――諸君。今回のオーディション……採用された君たちも、そうでない者も、実に立派に戦った。感動した！ だが一つ、君たちに言っておく。即ち。おおよそ、持っている者は与えられ、ますます豊かになるが、持たざる者は、持っているものまでも取り上げられるだろう……そして、今や！！ 持っている者とは、機械によってさらにただ儲け続け、持たざる者はそのテクノロジーにさえアクセスできない時代だ』
：何言ってんの？ この人？
：ギルドの入会式で陰謀論ぶち込んでくるｗ
：ハングドマンとか、いつものお騒がせだろ
『知っているか！？ 今や金融取引の大半はコンピュータによって自動的に行われ、その機械的な数値が各国の経済の指標となっている。だというのに労働者たちは、今も変わらない給与で働かされている。各国政府の単なる合意や、それによって決定される数値によって経済指標は変わるというのに、人々は今も！ ニュース番組によって知らされる数字によって、労働的努力を急かされている！ では、彼らが偉いのか？ 休まず資本主義の理想に燃え、世界を改良し続ける機械こそが、天国への狭い門をくぐるべきなのか！？』
：また急に宗教の話か
：いやハングドマンは地獄行きだろ、コイツ
：すみませんが、貴方達の行っているT.S.Oは、多くの国では賭博を禁じる法律に違反する可能性のあるゲームです。また、ゲーム内で得た、またはゲーム外で購入した有価の電子資産を用いての奪い合いは、公序良俗に反する行為です。貴方達はこの違法な賭博ゲームをすぐさまやめるべきです
：↑ またおかしな奴湧いてんな。T.S.Oは賭博じゃないって言ってるだろ
：陰謀論に宗教の話してる奴ら、おまけに犯罪疑惑までかかっててT.S.Oってマジでヤバいゲームなのな
：ペイ・トゥー・ウィンのクソゲー。やる価値無し
『いや、違うっ！ そうではない！！ なぜなら、より良きこととは、人のためにあるべきだからだ。そして富とは、金とは……人々の営みに対して、支払われるべきものだからだ！ そうとも！ 我々は陽の高いあいだ、畑を耕し、家畜を世話し、ようやく黄金と呼べる小麦を得る！ 肉や乳を得、富と呼べるその仔を増やすことが出来る！ そして夜には休み……我々は、我々は夢を見るのだ！！』
：今度は爺さんみたいな説教こいてんぞ？
：夢見てんのはてめーだろが、ハングドマン。はよ死ね！
：ていうか、こいつら自分らの大会でチート疑惑でてんのにだんまりかよ
：こいつ畑とか耕したことあんの？ ゲーム廃人でしょ？
：しらん。ただ結構歳いってる爺さんらしい
：リアル爺かよ。ボケてんのか？
『わかるか？ 奴らの寝ずに考えていることは、ただ金を数え上げること。そしてその金をどこに回せば、その流れの中でより多く得られるかだ。それは労働と呼べるものではない、生産と呼べるものではない。なぜならその事によって我々生を謳歌するべき人間が、何らのものも得ていないからであるっ！！』
：彼の言っていることは正しい。今やＡＩは人類の脅威だ
：アホがまた釣れたのか……陰謀論の奴らっていつもどっから来てんの？
：ＡＩに仕事奪われてようが、ベーシックインカムもらっときゃいいだろ。貧困国の方は……まあ、頑張れや
：いいか、このハングドマンって男はT.S.Oを自分たちの良いように作り変えてる五大ギルドの鷹の旅団のリーダーなんだぞ？ いまのT.S.Oをつまらなくした張本人。
：こいつマジクソ。例のチート疑惑でRMUの価格も下がっているし
：こいつ早く死なねーかな、ハングドマン
『だからそうではなくて、生産とは我々を豊かに満たしてくれるものでなければならない！ 労働とは、我々に夢を見させてくれるものでなければならないのだ！！ そしてそれらの事によって我々が、この中を向上させていると胸を張れるようなものでなくてはならない！！』
：何が「胸を張れるものくてはならない」だよ、クソ野郎が
：こいつらの作ったグレートウォールのせいでゲームが出来ない。こいつがT.S.Oのルールを捻じ曲げてる張本人だろ
『さて、君たちは……ローマ帝国の兵士たちを知っているか？ 彼らは確かに貴族であったり、そしてその荘園の世話をするような小作人ではなかった。しかし彼らは彼らの国家に奉仕し、偉大な文明を作り上げた。彼らは偉大な国家に奉仕して人々の生活を向上させ、そして市民として選挙へ出た。人々は彼ら兵士を彼らが給与として得ていたソリドゥス金貨から、ソルジャーと呼ばれた……そう、まさに現代に富を得ようと私の旅団に入る君たちは、正当なる戦士、この兵どもの末裔なのだ……！！』
：また訳の分からん話持ち出す
：税金とるの止めろ。航路開放しろよ、糞野郎
：話が理解できん低能は死んどけよ
：鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！鷹の旅団最強！！
：アホ、うざっ
：てか、RMU価格下がってんのマジ？ これもうT.S.O終わりだろ
『さあ、改めて言おう！ 君たちは、実に立派に戦った。それが不本意な結果に終わる者、残念ながら世間からがバッシングを受けてしまうような参加者もいたが……しかし、君たち自身のそれも決して楽なものではなかったろう……ときに苦しい事さえあっただろう！！ だが、私たちは保証する。こうして迎え入れた君たちに、その何倍も、何十倍も苦しい戦場を、何度でも戦わせてあげられることを！！』
：いいか、このハングドマンって男はT.S.Oを自分たちの良いように作り変えてる五大ギルドの鷹の旅団のリーダーなんだぞ？ いまのT.S.Oをつまらなくした張本人。
：こいつらが税とってるせいでいまのT.S.Oは全然儲かんね。もうやめるわ
：↑↑これコイツが低能なだけ。ヘボプレイヤーは黙ってろよ、鷹の旅団がクソなのは同意だが
：いや、チートも出てるしRMU価格下がってるし、もう無理だろ
：いいか、このハングドマンって男はT.S.Oを自分たちの良いように作り変えてる五大ギルドの鷹の旅団のリーダーなんだぞ？ いまのT.S.Oをつまらなくした張本人。
：ふざけんなよ、自分たちさんざん儲けて、チート騒ぎ起こして俺らのことは無視かよ。クソハングドマン、マジで死ね
『さあ、我が戦士たちよ！ 君たちの長である、私が許す。君たちは思うがままに戦いを広げ、そして略奪を恣に、この銀河を駆けるがよい！ 君たちは空を駆け、戦い、奪い、殺し、この銀河に君たちを縛るものはない。たとえ死すとも西日とともに蘇り、私の戦列へ再び加わるがいい……さあ我が、戦士たちよ！！』
：いいか、このハングドマンって男はT.S.Oを自分たちの良いように作り変えてる五大ギルドの鷹の旅団のリーダーなんだぞ？ いまのT.S.Oをつまらなくした張本人。
：いいか、このハングドマンって男はT.S.Oを自分たちの良いように作り変えてる五大ギルドの鷹の旅団のリーダーなんだぞ？ いまのT.S.Oをつまらなくした張本人。
：連投止めろ、ウザいから。
：グレートウォールはいつか焼け落ちる。死ね、ハングドマン。吊るされた王に呪いあれ。
：こんなゲームにマジなっちゃってどうすんのｗ
『さあ、諸君。ようこそ、このT.S.Oへ！ ようこそ、我が鷹の旅団へ！！ そしてようこそ……人々の、黄昏の宇宙へ……』
Twilight Space online ―シンデレラ・ソルジャー― 完
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