ゴリラ農園 市民農園デビュー編
どうもゴリラ不動産です。
今回のシリーズはゴリラ農園編のスタートです。
ある日僕は、住んでいる市のホームページをぼんやり眺めていた。新着情報に農家開設型市民農園募集のお知らせという文字が目に留まった。
「農家開設型市民農園は、農業者が開設運営する市民農園です。
土に親しみ、野菜作りを楽しみませんか。注釈:市が直接管理するものではありません。」との記載だ。
応募方法を見てみると、葉書きで応募をして抽選という事らしい。募集区画は1区画。熾烈な争いが繰り広げられるのだろうか?
僕は、何の気なしに、取り敢えず応募してみるかと葉書きを手に取り、記入事項を書いて、市役所に送った。年賀状を書かなくなって久しい。小学校の時に、電波少年のなすびの懸賞生活に触発されて、一生懸命工夫を凝らした葉書きを沢山書いたが、一度も当選の連絡がなかった事を思い出す。
1週間程すると、スマホに市役所から電話が入った。
「応募頂いていた市民農園ですが、当選という事で、ご利用されますか?」
「あっ!当選なんですか。。やってみようと思います。」
「そうしたら、手続きの案内をお送りするので、あとは直接農家さんと契約してくださいね。それでは。」
これは恐らく、抽選倍率1倍だな。僕しか応募していないのだろう。葉書きでの応募が、きっと大きなネックになったに違いない。
手続きの案内が届くと、畑の区画番号と約20㎡の面積の図面が送られてきた。貸主となる農家の電話番号と住所が記載されており、年間の利用料を振り込んで、直接契約書を交わしてこい。と書いてある。
僕は早速、口座へ振り込みをして、手土産を買い、農家の家に訪問した。迎えてくれたのは、中年の淑女だった。自宅の敷地に蔵があり、自宅は築100年を迎えているとの事。
「若いのに畑やりたいなんて珍しいね。1年続けられるかな?」
「大丈夫です!夫婦で頑張ります!」
「周りの人は老人が多いから色々教えてもらいなさい。」
「はい。ありがとうございます!」
不動産営業で鍛えられた、地主に対する畏敬の念を忘れてはいけない。
無事契約手続きを済ませ、「これからは、自給自足の生活だ!SDGsだ!オーガニックだ!」と息巻いて家に帰る。
キッチンに立つ嫁に「畑借りたから!これからは、丁寧に生きる!柴崎コウみたいな生活をしろ!!俺らは自然派だ!オーガニック生活の始まりだぜ!無農薬の野菜を育てて、毎朝自家製のスムージーを出せ!これからは、丁寧な生活が大切だ!」と捲し立てる。
嫁は押し黙った後に一言
「ひとりでやれば!!」
ゴリラ農園 出だし好調である。