免疫力を上げる講座(6)~感染症予防の身体の温め方
<要約>
中国の病院では、コロナウイルス感染症の予防に、お灸の治療も利用しています。この予防で使うツボを参考に、免疫力を上げるための身体のあたため方をご紹介します。
1.感染症予防を積極的に
今までの「免疫力を上げる講座」でもご紹介していますが、マスクは自分が知らずに感染してしまった時に人にうつさない為に非常に有効です。
そして自分が感染しない為には、手洗いが非常に大切です。
特に今回のコロナウイルスは飛沫感染と接触感染によってうつるウイルスであり、人が密集する場所以外では接触感染を最も注意する必要があります。
ぜひこまめな手洗いを実施しましょう!
今回のコロナウイルスの影響で、多くの人が感染症対策を取るようになりました。コロナウイルスの封じ込めまでには、まだ時間はかかりそうですが、実はインフルエンザになってしまった人の数が激減しています。
東京都感染症速報から引用したグラフです。1月からの週ごとの数です。赤線が今年、緑が昨年、ピンクが5年平均です。凄い成果が出ていますよね!
<引用文献>
・東京都感染症情報センター 東京都感染症速報
2.中国ではお灸も貢献しています
今回のコロナウイルスの発端である中国の医療では、西洋医学の治療と併用してお灸の治療も行われています。
他の記事では、西洋医学だけの治療よりもお灸の治療を加えた方が効果が高かったという統計を報じている記事もありました。
このニュースだけをみて「お灸がコロナウイルスに効果がある」と言うのは時期尚早ですし、言い過ぎだと思います。
ただ、お灸の治療をして、身体のめぐりを良くすることで、病気の治りが早くなる、そして身体の抵抗力が上がるということは、私の経験上からも自信を持って言えます。
3.中国で現在推奨されているコロナ予防の灸
江西省衛生健康委員会(Health Commission of Jiangxi Province)の江西省中医薬管理局が出している公文書では、今回のコロナウイルス感染症に対する、お灸による予防法が書かれています。
ー棒灸による治療ーー
使用するツボ:中脘(ちゅうかん)、神闕(しんけつ)、関元(かんげん)
やり方:一日一回、それぞれのツボに45分間治療する。お灸をひねれる人は足三里(あしさんり)のツボに麦粒大のお灸をすると、さらに効果がある。
ーーー (一般の皆さんに関係のある部分だけ抜粋して載せています)--
棒灸とは、棒状に固めたお灸のことで、皮膚から少し離れたところから身体を温めるお灸です。
(お灸メーカーの小林老舗さん撮影写真。手は私の手です(笑))
上記以外にも、先ほどのニュース記事にもある熱敏灸というお灸のやり方では、神闕(しんけつ)、天枢(てんすう)、大横(だいおう)とういうツボを使うことを推奨しています。
<引用文献>
・江西省衛生健康委員HP 江西省新型冠状病毒肺炎中医薬防治方案(試行第三版)
私の業界の情報では、当ブログの「(3)マスクの思いやりと体調不良のサイン」でもご紹介した、大椎(だいつい:下図の赤印)というツボに病院で棒灸をしている動画を中国の友人からもらったとありました。
4.お腹と首の後ろを温めよう!
本当は上記のツボにお灸をして欲しいのですが、自分でお腹や首の後ろにお灸をするは難しいので、ぜひ温めて欲しいのです。
・お腹を温めよう!
以前のブログ((5)免疫力の最前線を支援しよう!)でもお伝えしましたが、胃腸には身体の免疫機能の60%が集中していると考えられていて、胃腸を整えることが免疫力を上げることに繋がります。
胃腸の働きを活性化させる方法の1つにお腹を温める方法があります。
カイロや湯たんぽなどで、上記のツボの図を参考に、おへそを中心とした縦のラインでゆっくり温めてみて下さい。
・首の後ろを温めよう!
先ほどの首の後ろ(大椎(だいつい)というツボ)を温めるのも効果的です。
私は近年、風邪をひきそうになったら、やることがあります。
まずは風邪に効くツボにお灸をして、葛根湯(かっこんとう)等の漢方を飲んで、首の後ろを温めながら寝る。これをやると、かなり風邪を悪化させずに終わらせることができます。
上の写真はリアルに私の写真で私のリアルな寝室ですが(笑)、枕の手前に温かいものを入れ(小豆を温めるカイロとか、タオルを丸めて上にホッカイロなどを置いてもよいかもしれません)、首と肩の境目あたりが温まるようにして寝ます。
これが結構良くて、これをやるようになってから、寒気がしたり、身体がだるくなって、「風邪ひきそうだな」というサインがあっても、体調を崩さずに復活することができます。
5.まとめ
感染症予防のためには、胃腸を温めること、首の後ろを温めることが有効です。おへそを中心に縦のラインでお腹を温めて免疫力をUPさせ、首の後ろを温めて、ウイルスを追い出しましょう。
ぜひ実践してみて下さい!
<執筆>
表参道鍼灸マッサージ治療室 自然なからだ
院長 手塚 幸忠
《東洋医学とツボの専門家》
新医協東京支部鍼灸部会 会長/臨床実技講座講師
東洋医学臨床勉強会 会長
一般社団法人 経絡リンパマッサージ協会理事
関東医療学園 関東鍼灸専門学校 講師
日本伝統鍼灸学会 学術部
全日本鍼灸学会会員
健康経営アドバイザー
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