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朗読のための古典怪談

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江戸・明治時代の古典怪談を、朗読用に現代語訳して書いたテキストです。どうぞお楽しみ下さい。
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#語り

疫神(えきじん)

疫神(えきじん)

~1862年に出版された随筆集『宮川舎漫筆』(みやがわのやまんぴつ)からのお話です。
疫病神と出会った二つの事例を紹介しています。
なるべく優しい現代語に訳してみました~

時は、嘉永元年。
西暦でいえば1848年。
あの四隻の黒船が、浦賀にあらわれた事件の五年前にあった話である。

この年、夏から秋にかけて疫病が大いにはやったが、一つの不思議な話がある。
名前は忘れてしまったが、浅草あたりに住む

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芥川龍之介が学生時代に編んでいた古典怪談集『俶図志異』に収められているお話です。これは、芥川の創作ではありません。両親や友人から聞いた、あるいは図書館で調べた古い怪談の数々を芥川はノートに書き連ね、怪談集としていました。この朗読では、語り用に平易な言葉で作成したテキストを、オリジナルBGMに乗せてお届けします。12分56秒の、美しく妖しい古典怪談の世界をどうぞ。