自然栽培みかん池田農園発【コジュケイプロジェクト】って、なぁに?!<No,001>
「まつもっさん、今度“コジュケイプロジェクト”ていうとば始めるけん、かたらんな?(参加しませんか)」
池田道明さんはサラッと唐突なことを言うお人である。
出会いは十数年前。地元のカフェギャラリーで手作りの木の実クラフト作品を展示販売していた際に、ふらっと立ち寄られたのが最初だ。
「こういうのは好(よ)かな〜、こぎゃんとば里山美術展に展示してくれんな?」
気に入ってもらえたのが嬉しかったので、その「里山美術展」がどんなイベントかも知らずに、そして池田さんが何をしてるどんな人かも知らずに(笑)二つ返事で「ぜひ」と言ったがために、いつの間にか参加者からスタッフとしてお手伝いするようになり、今では中核というポジションになってしまっている。
飄々とした佇まいが、気構えを失念させてしまうのだ。
同じように、手を貸さずにはいられなくなっている人が池田さんの周りにはたくさんいる。もはや才能。
もちろん最初から周りをあてにしている訳ではない。みかんを自然栽培で育てようというくらいなので実行力は頭抜けていて、もうゴールが見えているのではないかと思うくらい迷いがないし、行動に移すスピードが、とても早い。
だけど時々、抜けている。
(大切なことを家族に伝えず走り始めて、よく奥様に窘められている・笑)
「奇跡のみかん」の人なのに、偉ぶらないところも周囲を惹きつけるのだろう。真っ直ぐだから、ついつい皆が手を貸したくなるのだ。
わたしは農業に関する知識はないが、自然が好きなので「無肥料無農薬」で栽培することによる自然のサイクルへの好循環の話を聞かせてもらうと納得することばかりだ。
もう二十年ほど前になるか、牡蠣の養殖のために山に植樹をするという活動が話題になったが、当初は笑われたという。
自然がどのように循環しているのかを、現代人は忘れてしまっているのだ。
ヒトの営みも森羅万象のなかにあるのに。
池田農園がある吉次峠〜天水町一体は、見渡す限りミカン畑が広がっている。その多くは慣行栽培だ。
恥ずかしながら、わたしはミカン栽培にあれほど農薬が使われていることを知らなかった。
2021年の秋冬に池田農園でみかん収穫のバイトをしていた頃、初めて農薬散布を目の当たりにした。複数の農家が一斉に行うと、あたりが真っ白になるほどだ。
海釣りも大好きな池田さんは、この大地に染み込んだ農薬が海の生態系にも影響を与えていることを実感している。想像に難くない。
収穫間近になると肥料(魚粕・魚粉)が撒かれ、あたりに漂う生臭いにおいにも参った。これがカラスを呼び寄せるのにも参った。
見た目の綺麗さや糖度を追い求めた結果といえる。
そんなミカン農家も高齢化と後継者不足で、放置されているミカン園が増えてきた。
各地に広がる耕作放棄地は、おのずと「無肥料無農薬状態」で何年も放ったらかしになっているので、これを活用しようと2020年春に「実験農場」なるものを立ち上げた。
池田さんは「みかんのことは分かるけど、他の果樹や野菜は分からないから」とプロの友人に助言を乞いながら、毎週水・日曜日に農作業を行っている。
参加者は女性が多いが男性も、お子さんも一緒に楽しく無理のないペースで行っているようだ。
「ようだ」というのは、わたし自身は初回しか参加しておらず、Facebookで活動の様子を見ているだけだから。時々、池田農園に遊びに行った際に農場を見せてもらったりしている。
基本的には不耕起で、もちろん肥料も農薬も使わない。種は在来種で、F1種は使わない。
「実験」農場だから、育ててみたいものはチャレンジしてみる。同じ作物でも植えた場所によって育ち方が違ったりする。
1年目は豊作だったのに、2年目はサッパリ、なんてこともあるけど、池田さん自身が興味深く面白そうだから、参加者もついてくる。
そして3年が経ち、「実験」農場は「実践」農場へと進化する。
今までは収穫した作物は参加者で山分けするだけだったが、農地を広げ収量を増やし、販売しようというのです。
今まで参加料を支払って収穫物と引き換えていたのが、販売=収益化するとなるとモチベーションも上がります。
そうそう簡単にプラスにはならないかも知れませんが、何せやってみることが大切なのです。
もっと大きく言うと、耕作放棄地、荒廃地活用のビジネスモデルとなるように!
まず育ちのいいサツマイモから始めることになりました。
そして焼き芋にして販売するのです。みんな大好き、い〜し焼〜き芋〜♪
ところが「石焼き」芋ではなく、「壺焼き」芋だと言う。
「いいですね、壺焼き芋! でも、壺はあるんですか?」
「そっが、もろたったぃ(それが、もらったんだよね)」
池田さんが言い出すことは「面白そう」と思わせる不思議な魅力がある。
そして引き寄せる力が強い!
「こうしたい」と決まると、どこからともなくご縁が繋がるのだ。
ちなみに、なぜ「コジュケイ」なのかというと、鳴き声が「ちょっと来い」と聞こえる事から「たくさんの人に集まってもらえるように」と名付けたそう。それは参加者も、お客さんも、モノも含まれる。
「コジュケイの“チョットコイ”効果は凄かな〜!」(笑)
何だかいつも巻き込まれてる気がするけど、コジュケイプロジェクトも面白そうだから乗っかることにしました。
という訳で、次回コジュケイプロジェクト第1弾「壺焼き芋」スタート!
「えっ? 炭から作るんですか?!」
乞うご期待(笑)
・池田道明 公式Facebook
・自然栽培みかん池田農園 公式サイト
・池田農園GoogleMAP
池田さんをもっとよく知りたい方は、こちらもどうぞ↓
【CAMPFIRE】クラウドファンディング(終了済)
「自然栽培農業体験用の宿泊所を作って人材を育て、地球環境を守りたい」
ちなみに、このクラウドファンディングのページ作成もわたしが担当しました。すごいでしょ! 褒めて(笑)