NHK短歌 2019年下期
NHK短歌に投稿したまとめです。
「息」
人生に無駄なことなど何もない7秒前の溜め息さえも
「幸」
幸せはたとえ一人の夜でさえあの日と同じ星が降ること
「傘」
迷いなくあなたの傘へ飛び込んでゆくからどうか始まってくれ
「名」
現実の顔も名前も意味がないただお互いの世界に「♡」
「木」
義務じゃなく自然に生まれた木曜の有給休暇と頬撫でる風
「泳ぐ」
どこまでも泳いでゆける指先は見えなくなっても戻ってきてね
「紺」
yesって言ったね?海が紺色になるまで横で話しを聞いて
「旅」
まず君の話を聞きたい長旅の話はあとでゆっくりするから
「砂」
君の肩から流す砂の選別を終えて祈りに変わる指先
「食器」
FIFO(ファーストインファーストアウト)3年間在り続けているコンビニスプーン
「読む」
ねえこんなたくさんのお菓子に紛れこませなくても読むよきみの言葉は
「触」
爆弾を解除しないとわたしには触れないけどそれでいいなら
「川」
ウトウトとしている横にもうひとつウトウトが来てもうこれは川
「酒」
日本酒を「ぽんしゅ」と呼んだ君の真似すればあの日の君が振り向く
「卓」
いつの日か言葉のいらないふたりへと卓球台でラリーは続く
たまに出せない回もありましたが、一年間続けることができました。
選んでいただくことが全てではないと思っているけれど、掲載していただいたときは世の中に少しだけ認められたような気持ちになって、歌が自分の手を離れて遠く旅をしてくれているように感じて嬉しくなりました。
まだもうちょっと続けていけそうです。
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