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日常が日常でなくなったとき。
越前で工藝を継ぐ者
福井県鯖江市にて227年続く塗師屋に生まれ育ち、代々続く伝統工藝を受け継いだ私。
漆を塗ることが日課でしたが、
春先から続くコロナ禍でこれまでの日常が当たり前ではなくなりました。
問屋さんや小売店さんからの注文が減り
それに伴う工房スタッフの休業、自分たちの自粛生活。
先の見えない日々が続く中での見えない敵との闘いは、
社会的な動揺と、自分たちの不安な気持ちを増幅させました。
そんな中、この気持ちを少しでも平穏にするものはないかと色々考えた末に、
「禅」がいいのではと思うようになりました。
禅には心の働きを調えるという考え方あるそうです。
まさしく今、私たちが生き抜くヒントはここにあるかもしれません。
大本山永平寺
禅と言えば、曹洞宗大本山永平寺。
調べてみると、うちから永平寺は直線距離にして30キロ弱、
車で30分ほどで行けると分かり、意外に近いものだと感じました。
永平寺は、福井県民には馴染みがあり、
県を代表する観光地にもなっています。
子どもの頃は遠足やら、研修的なものでよく行った記憶がありますが、
大人になってからは、特に行く理由もないし、
行こうと思えばいつでも行ける身近さから、全く足を運んでいませんでした。
コロナ禍の今、
自分たちの仕事と暮らしを整える必要性をひしひしと感じ始めたことで
また改めて永平寺に興味が湧いてきました。