ストレス解消に「KURE 5-56」を
全ての人類を悩ますもの。
その名もストレス。
職場の人間関係に始まり、通勤電車、就労形態に、クレーマーの存在。
独り身でいれば自由でありながら孤独、そして結婚という謎のプレッシャー。
家族を持てばワイフとの関係はもちろん、ザ・ワガママボーイズ&ガールズ。
年老いていく親の存在に、お前誰だよという親戚たち。
ニュースから垂れ流されるクソみたいな情報に、フェイク。
そしてクソみたいな政治。
日本という国に蔓延する意味の分からない様々な同調圧力。
そんなクソまみれの現実から少しでも離れようとネットの海に潜れば、そこにに溢れるのは誹謗中傷に、ウヨとサヨの醜い争い。海だと思っていたところは実は肥溜めだったという。実に笑えない話だ。
とにかく全てのものがストレスの原因となるかのような現代社会を生きる我々にとって、このストレスといかに付き合っていくかということは、メンタル、フィジカル両面にとって、実に重要な課題であるだろう。
私にもここしばらく、いくつかのストレスがあった。
一つは、家のドアだ。
肥溜めのような世界の中で、唯一のオアシスであるリビングに入るためには、必ずこのドアを明けなければならない。
だが、このドアこそが、大きなストレスとなっていたのだ。
いくぶんか立て付けが悪くなっていたのか、開閉をする度に、
「きぃ〜きっきっ」
と金属が軋むかのような音が響くのだ。
シングルベッドで二人、夢とお前抱いていた頃のような音ならばロマンチックなのかもしれないが、立て付けが悪いドアの軋みなど、なんの色気もない。
むしろ「やっとリラックスできる」という安堵感を、この音がぶち壊してしまうのだ。
確かにこれは些細な事で、気にする必要もないのかもしれない。
開け閉めする時だけの話であり、部屋に入ってしまえばなんの問題もない。そんなふうに思う人もいるだろう。
だが、やはりこれは由々しき事態なのだ。
トイレに行くにも、風呂に入るにも、とにかく部屋から出なければならない。その度に必ず2回、このドアの軋みを聞かなければならない。気にするなと言われても、気になりだした以上は、自分ではどうすることもできないのだ。
ストレスの世界に日々身を投じ、ようやくたどり着いた心のオアシスにいざ飛び込もうとする時に、さらにストレスを感じなければならないこの苦痛は、私にとって実に大きな問題となっていた。
だが、幸いに原因はわかっている。音がなっているのは、ドアの蝶番の部分だ。ここをどうにかすれば、このストレスから解放される。
だが、私はこの手のことに疎い。
果たして蝶番を素人が交換できるものなのか、どのような蝶番を選べば良いのか、全くわからない。万が一、ドアが外れて直らなくなってしまえば、こんな面倒なことはない。真冬に暖房も効かない部屋ではリラックスどころではない。
そんな時にふと、大雪のニュースを目にした。
雪の降る地方で育った私は、ある大雪の年に、家の引き戸が閉まらない現象に遭遇した。どうやら雪の重みで若干家が歪み、動きにくくなることがあると父は教えてくれた。
そしてそんな時におもむろに使っていたものこそが、「KURE 5-56」だった。
このスプレーを吹きかけると、それまでギシギシと、開閉しにくかった戸が、魔法でもかけられたかのようにスッと動くではないか。
「これだ!」
私の足はホームセンターへと向かっていた。
そして「KURE 5-56」を購入し、家に帰るやいなや、ドアの蝶番に吹きかけた。
するとどうだろう。
それまで色気のない、クソのような音を奏でていたドアが、見事に黙ったではないか!
何度開閉を繰り返しても、軋みはウソのように鳴りを潜めた。
ついに私は、ひとつのストレスを克服したのだ!
世の中にこんな素晴らしい道具があったのかと私は興奮せざるを得なかった。
そして私は気づいてしまった。
「KURE 5-56」によって軋みが解決することで、ストレスが解消され、そして快感を覚えている自分がいることを。
現に今、私は軋みを求めている。
いつでも「KURE 5-56」を吹きかける準備は万端だ。
だが一つ気をつけなければならないこともある。
「KURE 5-56」は万能だが、
人間関係における摩擦は、如何ともしがたいということを。
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