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バナナ

母の毎朝の朝食だったバナナ
母か亡くなってからは
あまり買うことがなかったが

久しぶりに
朝食にバナナを食べようと思い
スーパーで
何種類かあるうちの
少し高めの
美味しそうなのを選んだ

しかし
亡くなくなった母に
毎朝刻んで食べさせていた時には
一番安いバナナしか
買ったことがなかったことを思い出し

自分で食べようと思ったら
美味しそうな高い方をと
無意識に選んでいた事に気づいて
ハッとした

母の介護が必要になってからは
母の事を大切にして
仕事をしながらも
わりとよく世話していたと
自分の事を認識していたが

なんで母には
安いバナナしか買わなかったのか

母は認知症のせいか
同じものを食べても
その時の具合や気分で
おいしいと言ったり
まずいと言ったりしていたので
味もよくわからないからと
そういう思いもあったかもしれないけれど

ちゃんと愛情をもって
介護をしていたつもりだぅたが…

そんなことを思いながら食べた
バナナの味は
あまりよく覚えていない

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