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【小説感想】 たまにはメタ的な内輪ネタも
悪くないだろう。
はつみさんの新作『用心深さ(ショートショート)』の話。
メタ的な構造で面白かったです。
誤字脱字の間違い探し、私は初読だけで、
「いやあコメントが来なかったんですよ(笑)」という自逆風のネタ→自虐風
それどころか、なんだが急に恥ずかしくなってきた。→なんだか
以上のふたつしか見つけられませんでしたが、正解は何個用意されているのでしょうか。
ナイツの塙さんが、著書『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(集英社新書)で、こんなことを書いています。以下は、その新書の原形になったインタビュー記事。
若い人が集まりがちなライブハウスとかでやることが多いせいなんでしょうね、「テレビに出るようになって、おまえ調子にのってんな」とか、同じ事務所に所属している違うコンビの名前を出して「だから事務所は〇〇の方を推してるんだよ」とか。それって全部内輪ウケのワードなんです。けれども、ライブとか営業では異常なほどウケるんです。だから癖になる。
これまで何度か、叙述トリックについて「騙されてやろうと待ち構えている読者ほど騙すことが難しい」と書きました。
しかし笑いは逆です。
お笑いのライブハウスに来ているようなお客さんは、笑おうという明確な目的を持っています。もっというと、積極的にその芸人のネタを見たい、というファンとしての性質を持っています。だから内輪ネタがウケる。
ところが、不特定多数の目に触れる機会があるテレビは別です。笑おうという意志がある人ばかりではない。そこで内輪ネタをやってしまったら、万人にウケることはまずないでしょう。
だからコンテストや賞などを目指す場合には、内輪ネタは意識的に避けるべきでしょう。その一方で、こうやって通常の投稿をする場合には、たまには内輪ネタも悪くない。しかもこの『用心深さ(ショートショート)』は「下書き」という体で投稿されているという独自のメタ的な仕掛けがある。
なにより、このnoteという媒体を読む人はほとんどが書き手でもあるはずですから、『用心深さ(ショートショート)』のメタ的な内輪ネタは最も身近な話題といえます。その意味で『用心深さ(ショートショート)』は読んでいて面白かったです。やったもん勝ち、みたいなところもありますね。
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