#500字小説『サンタの役目』/冬の色【#シロクマ文芸部】
小牧幸助(シロクマ文芸部・部長)さんの
「冬の色」から始まる小説・詩歌を書く企画に参加します
※詳細は本文後に記載
※注:子どもは読まないでください!
#500字小説 、2分程度で読了可能な超短編小説ですので、
ぜひご一読ください。
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『サンタの役目』
「冬の色といえば、何色?」
俺は思い浮かばず、答えられなかった。
「圧倒的に赤と緑だろ」
「なんで?」
「あぁ、クリスマスカラーね」
「そうそう」
普通の子は、冬の色といえば赤と緑なんだ。そして、赤と緑といえばすぐクリスマスが思い浮かぶものなのか。
チキンやピザ、ケーキが並んだパーティーをやって、プレゼントをもらう。そんな普通の家庭の子は。
「サンタをいつまで信じてた?」
「小一までかな」
「上に兄弟がいると気づくの早いよな」
「お姉ちゃんがプレゼントを枕元に置いてるのはパパだって教えてくれたけど、今も姉弟二人して、気づいてないふりしてる」
「知らないふりし続けないとプレゼントもらえなくなるもんな」
サンタなんていない。
小学四年生の俺らには常識だけど、みんな無邪気に「サンタさんがくる」と信じてる子どものふりしてる。
いや、お前らにはサンタがいるよ。
俺は心の中でだけ呟いた。
お前らに気づかれまいと、欲しがっている物をこっそりとリサーチして、当日までバレないように家のどこかに隠し続けて、プレゼントを開けた時の笑顔を見たいと思ってくれる人。
そんな人は、サンタだろ。
俺には最初からいないから。
両親はいるけど、サンタはいない。
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#シロクマ文芸部 /12/7発表・12/10〆切のお題
「冬の色」から始まる超短編小説(#500字小説)でした。
文字数:500字(空白・改行を除く文字数)
◆小牧幸助(シロクマ文芸部・部長)さんの企画に
参加させていただきました!
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