きたきた

古びた屋敷に　陽があたる縁側

蔦の葉がどこまでも生い茂って

山の中の一軒家の様に

シーンと静まりかえる

目の前の木々が倒され

かつて花粉症で脅かされた山並みが

今となっては新たな芽吹きが背丈ほど伸びた

霧たった山々の麓で

真っ黒な鳳蝶が舞っている

数メートル先には

まだ酷暑の日々だと言うのに

綺麗な緑色した栗が実をつけている

いつまで

ここに来れるかな

早々と過ごす生活とは無縁の

海辺の街よ

篝火よ

どこぞの誰かを救ってくれ

海に守られて