返礼品送り主以上、ブランドラブ以下の繋がり
夕方のニュースで、収穫間際の桃が大量に盗まれたという。
自分の住む地域からすれば遠いところの出来事ではあるけれども、収穫に向けて手塩にかけて育ててきたものがなんてことだ、とやるせない気持ちになる。
どうにか犯人をつかまえて弁償させられないんだろうか、とかできるかできないか知れないことをぼんやりと考える。
胸の痛むことではあるが、ここまでは毎年聞く嫌なニュースのひとつだった。
そろそろ次のニュースに移ろうかというタイミングでスマホをいじっていた視線をようやくテレビに向けると、画面の端に表示されている桃の産地が目に入った。
山梨県笛吹市。
山梨のどのへんにあるかはさっぱり分からないが、名前だけは覚えている。
笛吹市って、ふるさと納税を申し込んだところだ。
返礼品の桃がそろそろ来るかなってめちゃくちゃ楽しみしてるやつじゃん。
途端に桃農家さんのことが心配になってくる。
それまでは遠方のニュースのひとつとして聞いていたことが、急に自分と繋がっているような気がしてきた。
一般論から自分ごとに近づいて、テレビのなかのことからいち消費者としてのことに変わったから不思議だ。
さっきまでテレビを見て「被害にあった桃農家はたいへんだろう」と思っていたのが「桃農家さん大丈夫かな?」に変わっていた。
地域で選んだわけじゃなく返礼品から絞って申し込んだ身だけど、送られてくるチラシをなんとなく眺めたりしているうちになんとなく繋がりはできていくのかもしれない。
人間関係で言うゆるいつながりとか、こういうぼんやりしたものからふと芽を出すのかもしれない、と妙なところでハッとしていた。
お題とズレてるのは承知してるけど、わたしにとってのふるさと納税の話でした。
窃盗の犯人は捜査されてちゃんと見つかりますように!
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