音楽劇『これあらたのふね』はじめに
『これあらたのふね』は、私が2018年~2019年にかけて書いた音楽劇の脚本です。
当時、私は伊丹アイホール主催の「伊丹想流劇塾マスターコース」の受講生で、講師の高橋恵先生、林慎一郎先生のアドバイスと、劇団維新派の諸先輩方のお話を伺いながら書き進めました。
私は、1993年、高校2年生の時に劇団維新派のオーディションを受け、1994年から1997年の4年間を役者「竹山らいち」として活動しました。諸事情があり退団してしまいましたが、維新派の作るお芝居は好きだったので、やめた後も観に行ける時は行き、可能な時は手伝いに行ったりなどしていました。
2016年に、主宰で作・演出をしていた松本雄吉が亡くなり、2017年に維新派は解散しました。
松本さんが死んで、維新派が無くなって、私は維新派が好きだったんだ、全然やり足らなかったんだ、いつまでもあれをあの祭りを観ていたいんだと改めて思ったのでした。
劇塾で脚本を書く前段階に書いたプロットの序文に、私はこう書きました。
(省略)~ 四十七年の活動で培われた、維新派独自の表現が絶たれることに、私は危機感を持ってます。リズムに合わせ幾重にも重なる言葉たち、それと共に身体で表現される、なんだかわからないけどなぜか伝わる光景。
もう一度維新派を立ち上げたいのではないのですが。私は、もう一度あの舞台が見たいのです。
そのためには、誰かがあの表現をやり続けることが必要ではないだろうか、と思いました。
ただの猿真似に終わるかもしれません。ちゃちで拙い物しかできないかもしれない。しかし、誰もやらないのなら、私がやってみてもいいのではないかと。
もし、私の書いた戯曲に引力があるなら、もう一度、あの景色が見られるかもしれない。あの、愛おしい舞台。いや、少なくとも、書けば私の頭の中だけででも、もう一度見られる。
そう思いたち、筆をとります。
誰も書かないのなら、私が書いてみてもいいんじゃないか。
最近ネットではよく、「踊ってみた」や「歌ってみた」動画が流行っています。これは私の「ヂャンヂャン☆オペラ、書いてみた」です。
筆の進みは遅かったのですが、何とか劇塾の受講中に書き上げ、2019年にある戯曲賞に応募しました。予想通り、箸にも棒にも引っかからず、しかしせっかく書いた物なので、この度、noteにて公開する事にしました。
全シーンで11シーンを、今日から2シーンずつ公開します。
この戯曲の著作権は葱山紫蘇子にあります。もし上演したいと言う奇特な方がおられましたら、必ず葱山までコメント欄にご連絡ください。音楽劇ですが楽曲は作っていませんので、各々ご用意ください。有料上演の際は上演使用料をいただきます(金額は要相談です)。学生のクラブ・サークルでの上演は基本的に無料ですが、必ず連絡の上、使用許可をお取りください。
脚本の読み方は上の写真をご参考ください。(字が小さくて申し訳ありません。)全シーンを公開したのちには、ひとまとめにしたPDFも公開するつもりです。
拙い戯曲ですが、読んでいただけると大変嬉しく思います。また、感想などもコメントしていただけると、天にも昇る気持ちになります。しばしの間、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。