BOOK COVER 1
企画のはじまり。
「刺繍CAFE」という名前で、刺繍のワークショップを始めて15年。そこでの楽しい経験が、その後の作品作りのきっかけになればいいなと活動していました。
参加した人たちの中にはそこから刺繍に目覚めて、作家活動を始める人や刺繍をマイペースに継続する人など、最近では、刺繍や手芸の実力をつけた人に再会することも増えてきました。そんな人々のその後を知ることで、初心者だけでなく、手芸的能力を身につけた人たちが自分らしい創作につながるワークショップを形にしてみたいなあと、次第に考えるようになりました。
ただ、じゃあ、それはどういう形にすればよいんだろう。
1回限りの単発ワークショップではなくて、継続する教室的なものにするか、各ジャンルで活躍する作家さんを講師にして、いろいろな手法を学べるメニューを増やすのか?
道はいろいろありそうですが、ある時、必ずしも技術やアイディアを教えるだけが方法ではないかもしれない?と思うようになりました。
すでに基本的な方法を知っていれば、作り方や発想を教えることはせずとも、あとはそれぞれの創造性を引き出すきっかけを差し出すだけでも、十分なのかもしれないと考えるように。
テーマを設けた創作づくりのワークショップのアイディアはどうだろう?
唐突に聞こえると思いますが、そのお題は「ブックカバー」にしようと、突如、思いつきます。
過去に同じテーマで、複数のクリエイターが参加する実際の展覧会を開いたことがあり、とても有意義な作品がたくさん作られたことを、自粛期間中に思い出したところでもありました。
素材や布や紙、革など、どんなものでもブックカバーができること。本を紹介することにもつなげられる。など、他のアイテムやテーマと比べた時に、ブックカバーのふところの広さは格別に思えてきました。
以前は、ギャラリーを会場に実物を手にとって鑑賞、購入ができる展示でしたが、今回は、最終的な成果物や発表会よりも、リモートでつながりながら、創作の過程を共有していくことに重きを置いたら、地理的なことに関わらず、人とつながりを持てるだろうと、少しだけ企画のポイントを変えようと思いました。
参加する人に思い入れのある本を1冊選んでもらって、その本をイメージした、その本のためのブックカバーを作ろう!という趣旨のワークショップです。
まずは、テスト版のワークショップ開いてみようと、知り合いの作家さんに声をかけて、2021年の5月からブックカバーを作るワークショップ(?)を始めました。
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