ファンと一緒にブランドを育てるSNSマーケティング実践法⑥(全文無料公開)
第4章
『SNSとSNSマーケティングのこれまでとこれから』
「友人・知人からつながるコミュニティ」から 「拡散力のあるツール」へ
◆震災を機に、情報入手ツールとしての注目が高まる
SNSが一気に広まるきっかけになったのが、2011年3月に発生した東日本大
震災です。ちょうどこの頃、「Twitter」が広く使われ始めていました。
震災発生当時にどんなことが起きていたか、皆さんの記憶にも残っているのではないでしょうか。
甚大な被害があった東北はもちろんのこと、首都圏でもかなりの揺れを観測し、交通機関が麻痺して多くの人が帰宅困難者となりました。
そして、テレビのニュースでは、東北沿岸部の町が次々と津波に呑まれる映像が流れました。
当然ながら、家族や親しい人たちの安否や状況を確かめようと、皆が一斉に電話をかけ始めます。
そのため電話回線がパンク状態となり、かけてもかけてもつながらない状態が数日続きました。
当時、連絡手段として一般的だったキャリアメール(携帯電話キャリアが提供するメールサービス)も届きづらい状況となりました。
そんなとき重宝されたのがTwitterです。物資情報や避難所情報が、Twitterの特徴である「拡散」の力を借りて、多くの人に情報を届けることになったのです。
誤情報が拡散されて混乱を招くなど、必ずしも良いことばかりではありませんでした。
しかし、緊急時においては、電話回線に比べ、インターネットの優位性が発揮されたのは誰の目にも明らかです。
これにより、Twitterは災害時にも強い連絡手段として、広く知れ渡ることになりました。
Twitterが流行したのと同じ頃、当初は「本名での登録だから」と敬遠されていた「Facebook」もどんどんユーザー数を増やしていきました。
一方、手軽な連絡・コミュニケーション手段として、キャリアメールから「LINE」に遷移。その数年後には、画像や短時間動画を共有するInstagramが出てきます。
こうしたSNSはそれぞれに特徴があります。Twitterは20〜30代が中心。
「140文字」という短いメッセージにより、瞬発的に広く浅く広がるのが特徴です。
一方、Facebookは実名制をとっており、ユーザーは20代〜60代と幅広く、ビジネスシーンでも活発に利用されています。
Instagramはユーザーの年齢層が下がり、10〜30代がメイン。LINEは家族・友人・知人との日常のやりとりに使用され、ユーザーは10〜60代まで広がっています。
※2020年5月現在
企業はSNSをどのような形で マーケティングに活用してきたか
◆SNSマーケティングの始まりは「広告の投下」から
では、企業は自社商品・サービスのプロモーションのためにSNSをどう活用してきたか。初期の頃は、SNSへの広告出稿が中心でした。
SNS広告は、ユーザーが登録時に入力した情報(年齢・性別・家族構成・出身大学・所属企業・居住地など)をもとに、セグメントされたターゲットに広告が表示されるものです。情報を届ける対象を絞って、関係ない人には届かないようにする。
不特定多数に向けたテレビCMや雑誌広告よりも効率的です。
ただし、属性を絞ったところで、例えば「中野区在住・30代・女性」の興味関心は皆一様かといえば、当然そうではありません。ですからこの方法も、結局のところ、これまでのマス広告の考え方とそれほど大きく変わらないのです。
しかし、これが進化すると、ユーザーの「興味」「関心」に応じた広告投下が可能になりました。自社商品・サービスに興味を持ちそうな人を狙ってアピールするのですから、費用対効果に優れています。
ただし、場合によってはユーザーの反感を買うこともあります。
例えば私の場合、バスケットボール関連のアカウントをフォローしているので、バスケの動画がよく流れてきます。
例えば、「NBAのトップ10プレイ」といったものです。興味を持ち 10 位からスタートして見入っていると、3位ぐらいの動画の手前で、こんなアナウンスが表示されます。
「まもなく広告が流れます。続きの動画は広告の後で」。
私としては動画が見たいのであって、広告には興味がない。
広告動画の終了を待っているのももどかしいので、3〜1位を見ることなく閉じてしまいます。
こうした広告の投げ方は、私は失敗なのではないかと思います。
うっとうしがられて飛ばされ、結局見てもらえない。
それだけならまだしも「せっかく楽しんでいたのにジャマされた」と、広告を割り込ませてくる企業を嫌いになってしまうかもしれないからです。
SNSに対する広告投下は、今後も手法を高度化しつつ、よりターゲットをピンポイント化しつつ、続いていくでしょう。
活用するにあたっては、逆効果とならないようにユーザーの心理をとらえて行うことが大切だと思います。
◆企業が公式アカウントを開設。 「フォロワー」獲得のため投稿を増やす
Twitter、Facebook、Instagramなど、拡散性が高いSNSが浸透するに従って、世の中に広がった新たな価値観がありました。
それは、「フォロワー数」です。フォロワーの数が多ければ多いほど、当然ながら情報の届け先も多くなります。
フォロワー数の多さが、その人の影響力やユニークさを表す要素の一つだという考え方が広まっていったのです。
SNSの活発化に伴い、多くの企業は自社の公式アカウントを開設するようになりました。
しかし、SNSはPR効果の測定がしづらく、KPIに設定できる要素が少ない。そのため、わかりやすい形で現れる「フォロワー数」が効果の指標となり、フォロワーを多く獲得することに価値があると考えられました。
そして、運用を開始すると、「思ったよりフォロワー数が増えない」という壁にぶつかることになります。
では、フォロワーを増やすために何をするか。
当初は「とにかくたくさん投稿する」ことが目標となりました。しかし、広報担当者がかけられるパワーには限界があります。
そこで、「投稿代行」を行う会社が登場しました。しかし、参入しやすい事業のため、類似会社が続々と増え、結局は価格競争となり、工数がかかる割にあまり収益性の良くないビジネスとなってしまいました。
その結果、「いいね!」がつかないような、安かろう悪かろうな投稿が増えたのです。
そして、やみくもにたくさん投稿をすればいいというわけでもありません。皆さんもご自身が使っているSNSのタイムラインをイメージしてみてください。
SNSでつながった人が 1 日に何回も何回も投稿する人だった場合、最初は「いいね!」を押すかもしれませんが、いずれスルーするようになりませんか?
それより、「あ、珍しく投稿しているな」という人に対しての方が、「いいね!」を押す心理的ハードルが低くなるのではないでしょうか。
Facebookだとわかりやすい傾向なのですが、「いいね!」やコメントをしなくなると、その人と自分とのエンゲージメント(親密度)が下がり、独自のアルゴリズムにより、タイムラインに表示されなくなっていきます。
企業がユーザーとつながり続けるためには、「適正な量」と「読まれ続ける質」が重要というわけです。
それがわかってきた昨今は、以前と比較すると「内容」や「質」にこだわる企業がずいぶん増えてきました。「フォロワーの数は、結局のところ売上増につながっているのだろうか」という疑問を、企業が持ち始めたからだと私は考えています。
今では大量に投稿するのではなく、センスの良い投稿にするために、コーディネーターに発注する、あるいはプロのカメラマンを使うなど、コストの投じ方が変わってきているのです。
また、2章で触れたとおり、私は前職でSNS上でのキャンペーンの企画・運営を手がけていました。
その当時の事例としてもご紹介しましたが、「フォロワー数を増やす」という目的のためだけに景品を用意して多くの人を呼び込んでも、ほとんどが離脱していく…という結果に終わることがあります。
SNSを活用してキャンペーンを行うにしても、どんな人を呼び込むか、どんな景品を用意するか、どんなコミュニケーションをとるか…といったことを工夫する必要があるのです。
◆「インフルエンサー」に自社の情報を発信してもらう
企業が自社の公式アカウントで情報発信するほか、「ターゲットに対して影響力がある人に、自社の情報を発信してもらう」という取り組みも広がってきました。
これが「インフルエンサーマーケティング」と呼ばれるものです。
例えば、20代女性をターゲットとする企業が、20代女性のフォロワーをたくさん持っている人に商品とギャラを渡し、「使った感想を投稿してください」と依頼するものです。
投稿を見た人は「憧れの〇〇さんが取り上げているものだから使ってみたい!」と、その商品を購入するわけです。
なお、インフルエンサーへのギャラの相場は、人や状況によりますが、フォロワー数×2〜4円ほど。
つまり1万人のフォロワーがいる人であれば、2万〜4万円程度のギャラで1投稿してもらうことになります。
こうしたインフルエンサーへの依頼を代行する会社も増加しています。
依頼する企業側としては、インフルエンサーへのギャラに加え、インフルエンサーに対する交渉、商品情報の提供、進行管理、効果測定などの業務に対する報酬を支払う形となります。
なお、そうした会社の姿勢には2パターンあるようです。
ネガティブな感想は載せないように指示し、いいことだけを言ってもらう。いわゆる「ステマ」(=ステルスマーケティング。広告だと気付かれないように宣伝すること)でも構わない、気付かれて叩かれたらやめればいい、という考え方の会社。
一方、ハッシュタグに「PR」というワードを入れたり、インフルエンサーの投稿内容を操作しなかったりと、良心的な会社もあります。おそらく前者のタイプは淘汰されていくでしょう。
インフルエンサーにも嫌がられるし、ステマに積極的に加担するインフルエンサーであれば、やがてフォロワーの信頼を失うでしょうから。
なお、こうしたインフルエンサーマーケティング代行会社の多くは「インフルエンサーに投稿してもらって終わり」という形態です。
そこで私は、インフルエンサーを動かしてリアルイベントを企画・運営したり、インフルエンサーのみならずインフルエンサーのフォロワーをも巻き込むような企画・運営をしたりするービスを立ち上げ、irodoriという会社で手がけています。
どのように行うかというと、自社でプロモーションイベントを企画し、インフルエンサーに「こんなイベントがあるから一緒に行こう」と呼びかけてもらい、フォロワーの皆さんを連れてきてもらいます。
そして、イベントの場で、インフルエンサーとフォロワーが交流する仕掛けをします。
例えばアパレルブランドであれば、インフルエンサーがフォロワーに似合うコーディネートを見立ててあげる、といったようにです。
日本人の特性として、「イベントに参加したからには何か買わないと」という心理が働きます。
そのため、単にイベントを楽しむだけでなく、購買にもつながります。
このように、インフルエンサーは仕事をしてギャラを受け取ることができる、フォロワーは憧れの人と直接交流してコーディネートもアドバイスしてもらってうれしい、そしてイベントを主催したブランドは売上増になる……と、まさにWin-WinWinの効果が期待できるのです。
また、このイベントで撮影された画像や動画をSNSで発信したり、公式サイトのコンテンツ化したりすることで、次のプロモーションにもつながっていきます。
テレビCMや雑誌広告を打つよりもずっと低コストで、自社に顧客を呼び込み、売上増につなげられるのです。
なお、インフルエンサーの活用方法にも、少しずつ変化がみられるようになりました。
企業側が自社商品・サービスをPRしてもらうインフルエンサーを選定するとき、初期の頃はフォロワーが100万人以上いるようなトップインフルエンサーに目を向けがちでした。つまりはタレントのような存在です。
しかし、「伝えるべき人に届いているか」という観点から見ると、現在は特定のコミュニティにおいて強い影響力や拡散力を持つ「マイクロインフルエンサー」と呼ばれる人たちが重宝されるようになってきました。
「狭く、深い」影響力を持つマイクロインフルエンサーのほうが、コンバージョンにつながりやすいからです。
昨今よく耳にする「インスタグラマー」も、その一例といえます。
SNSマーケティングの これからのあり方とは
◆ユーザーの情報入手元は「有名人」から「身近な一般人」へ
SNSとは、「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」というくらいなので、社会的な大きな箱の中でつながりができていくイメージです。
コミュニティのようなものですね。
そして今後は、「その中に誰がいるか」が重要になっていきます。
もっとパーソナルに寄っていくのではないかと、私は考えています。
私の実家は八百屋でした。
学生時代、当時の昼番組『おもいッきりテレビ』で、みのもんたさんが「カイワレは身体にいいらしい」と言うと、あっという間にカイワレが売り切れました。
12時台にその放送が流れると、13時頃には在庫が尽きる。親から「すぐに市場に行って仕入れて来い!」と言われ、急いで買いに走ったものです。
このように一昔前は、有名人が発信する情報によって多くの消費者が動いていました。
そして、そうした影響力はどんどん「一般レベル」に降りてきています。
読者モデルが発信する情報をもとに、若い女性が服や雑貨を購入する、といったようにです。
それがさらに身近になってきて、今では「顔見知り」の人が発信することに影響を受けるようになっています。
SNSでは、友人を通じ、その友人ともつながります。
会ったことはなくても、友人の友人だけに価値観や志向が似ていて、「この人が言っていることには共感できるな」「この人が好きなものなら自分も気に入りそうだ」など、「自分に影響を与える人」が増えているのです。
一昔前は、みのもんたさんに「大根を食べるといいよ」と言われて動いていた消費者が、今では好きな読者モデルが「最近、大根鍋がお気に入り」とか、友人が「昨日、大根サラダつくったら美味しかった」と言うのを聞いて、「今日の夕食は大根料理にしようかな」と思うわけです。
実際、私もSNSでつながっている友人の影響で、行動を起こすことがあります。
例えば、私の友人に、毎日必ず1食はカレーを食べている「T」という男性がいます。
かつてのバスケ仲間で、今はWeb制作会社を経営しています。彼は 1 年以上、毎日カレーを食べ続けて、その感想をFacebookやInstagramに投稿しています。
「1年以上、毎日カレーを食べ続けている人」というパーソナルな情報を知っているから、私が「カレーを食べたい」と思えば、必ず彼にお勧めの店を聞きます。
必ず、です。
要は「食べログ」よりもTに信頼を置いているということです。
仮に、TのSNS上の友達が5人しかいなかったとしても、「カレー」というテーマに関しては、その5人に対して絶大な影響力を持つわけです。
同様に、家電だったら〇〇、映画だったら△△といったように、そのテーマにくわしい個人が発信する情報を求める人が増えていくはずです。
そうなると、受け手にとって、もはや彼のフォロワー数は関係ありません。
情報元が信頼に足るかどうか。
これだけが基準です。
リーチ数を重視するのであれば、芸能人の情報の方が何百倍も多くの人に届きます。
しかし、影響力という意味では、芸能人もTには及ばないと思うのです。
カレーを毎日食べているTが全力でオススメするカレー店があったら、私は90%くらいの確率でその店に足を運びます。
一方、好きな芸能人がインスタで「ぜひ行ってみて!!」と声高に叫んでいても、「この子はこのカレー屋で感動したんだな」とほっこりするくらいで、実際に足を運ぶには至らないと思います。
では、カレー屋の立場になってみましょう。私が店主なら、数多くのフォロワーを有するインスタグラマーより、「Tを自分の店のファンにしよう」とアプローチします。
そして、どうしたらTを唸らせるカレーができるかを必死に考え、完成度をさらに上げようと努力します。
店側としては、
「うちのカレーこうなんです。食べに来てね」
とSNSで投稿するのが、これまでのプロモーション。
近い将来には、カレーオタクをSNS上で見つけ出して、一緒によりよいメニューやサービスを共創していこう、という使い方がされるのではないかと思います。
プラットフォームとしてのSNSという場は残ると思いますが、細かい機能はさらにパーソナルに特化した作りになっていくことが予想されます。
何を言うかより、誰が言うか、の時代が来ているのです。
◆消費者は友人のSNSの書き込みで意識・行動を変容させている
こうした傾向は、データにも表れています。2011年、電通ソーシャル・ラボが日常的にSNSを利用している全国の15〜59歳の男女を対象に「ソーシャルメディアが企業ブランド・消費者に与える影響」調査を行いました。
その結果、SNS利用者の約4割が「友人・知人が企業やブランド・商品を褒める書き込みを読んだ」経験があり、
「その書き込みを読んで自身も共感」した人は約35%、
「書き込みを読んで商品購入」した人は約26%に達していました。
一方、「友人・知人が企業やブランド・商品を批判する書き込みを読んだ経験がある」と回答した人の割合は約35%。そして、読んだ後にそのブランドや商品に対するイメージが悪化した、購入や利用を中止した経験がある…という人が約2割いることも明らかとなりました。
つまり、消費者は友人のSNSへの書き込みを見て、企業やブランドに対する態度を変容させていることがわかります。
◆一般の人の中から「コアファン」を増やしていく
このように、SNS上においては「個人」がそのコミュニティに対し、発信力と大きな影響力を持ちつつあります。
ですから企業側としては、有名人を広告に起用する以上に、個人のファンを増やすことでプロモーション効果につなげることができるわけです。
そこで、これからのSNSマーケティングでは、まず「自社のファンを増やし、コアファンに育てていく」ことが重要です。
ブランドを好意的に利用してくれているファン層をあたため、コアファンに育成していくことで、コアファンが自分の身の回りの友人を中心とした新たな潜在層に、能動的かつ好意的に情報を発信してくれます。
結果、中長期でのマーケティングコスト削減や、半永久的なファンベース構築につながるのです。
では、「ファン」は、どのようなプロセスを経て「コアファン」になっていくのでしょうか。
私がずっと通っているラーメン屋さんを例にお話ししましょう。
そのラーメン屋さんは、私が自動車ディーラー勤務時代から十数年通っているお店で、つけ麺がすごく美味しいのです。
友達に「美味しいラーメンが食べたいな」と言われたら、大体ここに連れて行きます。
そして、友達が「美味しい」と言ってくれると、私は「このお店に連れて来てよかった」と、すごくうれしい気分になります。
それまで、自分の中だけで「このお店は美味しいな」と思っていたのが、誰かを連れて行って、その人が喜んでくれるという「成功体験」を積むことで、そのお店がさらに好きになる。
そして、そのラーメン屋さんに頼まれたわけでも何でもないのに、さらにいろいろな人を連れて行くことになります。
今ではそのラーメン屋さんの店長とFacebookでつながり、お互いの誕生日にはお祝いのメッセージを送り合うような関係になりました。
本や映画でも同じ。自分が勧めた本や映画を、友達が「面白かった」「感動した」と言ってくれれば、自分がその本や映画に抱いている「面白い」「感動する」の感情がさらに増幅するのではないでしょうか。
こうして「コアファン」になれば、また他の友人にもそれを紹介したくなり、友人・知人との共有が広がっていくことになります。
◆ファンに「成功体験」を積んでもらう
これを、企業のSNSマーケティングに置き換えてみましょう。
企業は、すでに使ってくれているユーザーさんが、「成功体験をどのように積んでいくか」というポイントを重視してあげると、ファンベースでのSNS構築を促進することができます。
例えば、私のクライアント企業にアパレルブランドがあるのですが、「#(ブランド名)」で検索すると1,200件ぐらいの投稿があり、そのブランドを好きな人たちが、自分が持っているアイテムを投稿しています。
それに対して「いいね!」が押されていたり、「素敵ですね」といったコメントがついたりしているので、きっと投稿者は「自分のセンスが認められた」とうれしく思っていることでしょう。
つまり「承認欲求」が満たされるのです。
このブランドと関わったことで承認欲求が満たされ、「投稿してよかった」という成功体験をすれば、その人はこのブランドをもっと好きになるに違いありません。
こうした投稿を眺めていると、「このブランドをかなり好きなんだな」というユーザーさんが目に留まります。そこで、ブランドの公式アカウントから、例えばこんなコメントを送ります。
「〇〇さん、投稿いただきありがとうございます。素敵なお写真ですね」
すると、このユーザーさんは「商品がいいだけじゃなく、顧客に感謝を伝える姿勢もすばらしい。なんていいブランドなんだ」と好印象を抱き、もっとファンになってくれるかもしれません。
さらに、こうした方々にダイレクトメッセージで、「今度ファンイベントがあるので、ぜひ来ていただけませんか?」と声をかけます。
そして、商品をプレゼントしたり、少し安く買えるサービスを提供したりしてあげると、さらにコミュニケーションが密にとれるようになるでしょう。
リアルにファンとブランドの担当者が会って、商品の説明をしてあげたり、「これからはこういう展開をしていくんですよ」というような少し先の情報を教えてあげたりする。
それにより「自分は特別に扱われている」という心地よさを感じていただければ、その人は一生のファンになるのではないでしょうか。
そして友人・知人にも、そのブランドの良さを積極的に伝達していってくれるのです。
世間一般のSNSマーケティングでは、ようやく「量」より「質」に目を向けるようになったばかりです。ですから、BOKURAが取り組んでいるような「ファン創り」に注力する方法が一般化するのは、もう少し先なのかなと思います。
まだまだ事例も少なく、費用対効果も明確ではありませんから。
しかし「ファンがいる」というのは、本当に強い。
それは確信を持って言えます。
ファン歴が長くなるほど、ユーザーの愛は強まります。
だからこそ、ファンを大切にするという取り組みを、いち早く始めるメリットは大きいと思います。
今後、私たちのクライアント企業の競合会社が同じようにファンづくりを始めたとしても、すでに私たちのクライアントとファンの絆は深くなっている。
だから、あまり負ける気がしないのです。
もちろん良い商品を作り続けていることが大前提ですが。
SNSというマーケティングツールはここ数年の産物ですが、私たちがやっていることの本質は、優良企業が昔から大切にしてきた「消費者との接し方」と何ら変わりありません。企業はこれからの時代、SNSを「拡散ツール」ではなく、「ユーザーと距離を縮めるためのツール」として使っていくことが大事だと思います。
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