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永田町のランダムウォーカー!?
世の中がわかりません。
これから記載することは、世の中の人からすると理解できない、あるいはひょっとすると大炎上してもおかしくない内容なのでしょうか。
私がおかしいのか、それとも世の中がおかしいのか。もしくは世の中はおかしくないけど、誰かしらが意図的に情報を操作しているのか。
安倍政権の良さが全然わかりません。確かに、アメリカや中国といった諸外国との外交においてそれなりの存在感を示されていたようです。
しかしながら、もりかけ問題、アベノマスク、公文書改竄問題、河合議員夫妻の公職選挙法違反疑惑、桜の会、黒川検事長人事騒動など、問題の列挙に事欠きません。種苗法改正、大学入学共通テスト、IR汚職など、現職中にこれほど多くの問題が表面化した政権があったでしょうか。任命責任に言及しても、具体的な行動が果たされたことは一度もありません。
いずれも私としては十分な調査も説明もされたとは思えません。
2019年12月30日の、朝日新聞デジタルの社説で、すでに安倍政権の三つの問題
第一「責任の放棄」
第二「国会軽視」
第三「官僚の変質」
を指摘されていました。
これは私が朝日新聞を読んでいるわけではなく、ネットで「安倍政権」「問題」で検索するとすぐにヒットしました。
辞意表明前には、支持率も低下し、安倍政権に対する好意的なコメントはあまり聞かれなくなっていたと感じていました。
それが、今週になって、どうも様子が一変しました。
安倍政権に対して否定的な態度をとる風潮は誤りかのような空気感がながれ、菅さんを後継者にすることで、これまでの路線を踏襲でき、安泰といったような印象を受けます。
これまたネットを検索すると、共同通信社が今月29、30日両日に実施した、全国緊急電話世論調査で内閣支持率が一週間前より20.9%上昇したという記載を見つけました。
これは一体どういうことなのでしょうか。
確かに、長期政権で、体調を崩して辞任されるということで、「お疲れ様でした、まずは休養して、お体をいたわってください」ということには異論はありません。
しかし、「よくやってくださいました」だとか、「日本のためにありがとう」というのはまた別の問題です。
安倍さんご自身が発言されていましたが、政治は結果で評価されるべきです。
「世の中が大変な時に、リーダーは病気でも休むな」というのは完全に誤った発言ですが、「病気だから未曽有の危機でも結果をだせなくて仕方ない」というのも誤りです。
病気でも有用な人材は、負担を極力軽減した環境でその能力を発揮されるべきです。もちろん治療が必要で、治療への専念が必要な時には、治療が最優先されることはいうまでもありません。
安倍さんの体調がいつから悪かったのかは存じ上げませんが、一定期間以降の病気によって、症状の出現以前に遡って、病気だから仕方がないとするのは誤っているとしか思えません。
何も体調不良による辞意表明の会見で批判をする必要はありません。
大切なのは、退陣後に安倍さんの責任を問うこと以上に、政治上おかしな言動があったのなら、今後そういったことがおこらないようにするチェック機構・対応策の構築が必要であるという点です。
政治上、改善すべき点は山ほどあるのに、批判する側も、論点がずれているのでおかしなことになります。
安倍政権において「体調管理がなってない」というのは問題になりません。安倍さんは持病を抱えながら、長期政権を担って来られたわけです。これは人一倍の、体調管理をされたからに他ならないでしょう。持病がなくても、長期、とくに様々なストレスや問題をかかえていれば、心身ともに調子が悪くなることも十分考えられます。誰から見ても正当化できないような不摂生をしていたのならともかく、「病気になるのは自己管理ができていないからだ」という考え方はあまりにも乱暴です。
「持病をかかえた安倍さんに負担をかけた自民党はブラック企業のようだ」という指摘も的外れです。持病が悪化しても、何のサポートもせず、ひたすら表舞台に立たせつづけたというなら話は別ですが、そういうケースではないでしょう。
この点については、様々な問題が山積みになりながら、政権奪取どころか、国民に期待すら抱かせることができなかった、野党の恥じも自ら知っていただきたいところです。もっとまともで政治をまかせられる政党があれば、安倍さんの長期政権が続くこともなかったでしょう。
自民党のバックアップ体制を非難する前に、己の存在を今一度見つめ直していただきたいものです。
実際は、上記の朝日新聞デジタルのように、理に適った批判もされています。しかしながら、そこにはあまりフォーカスがあたらず、論点がずれた炎上必死の失言を大々的にとりあげ、「安倍さんへの批判は誤り」的な流れをつくろうとしている気がしてなりません。
安倍政権の政策を継承する必要があるとは個人的には思えません。株式市場としては、アベノミクス後であり、大きな方針転換は不安要素となる味方があるのは確かでしょうが、かといってこのままが日本の経済にとってプラスになるとはとても思えません。
加えて、菅さんはインタビューに答えて、もりかけ問題は国会で十分討論された、桜の会も今年は中止して見直したからもうおしまい、と説明責任放棄、国会軽視のトレンド継続を明言されています。
安倍政権が問題山積みだったのは、何も安倍さん一人によるものではないでしょう。それこそ官房長官、副首相をはじめ安倍政権を支えた人達がその内情をしり、その政策を推し進める一助となったはずです。
この辺につっこみをいれずに、あたかもほぼ総裁決定のような風潮は恐ろしさしか感じません。つまり世論はこれまでの政策に賛成・満足しているというわけです。
厚生年金保険料も2020年9月から平均月収が63万5千円以上の人は厚生年金保険料の負担額が2745円増えます。これはあまりニュースにもならず、事前に十分な周知もされていません。
63万5千円ももらえてればそれくらいいいじゃないかとおもわれるかもしれませんが、収入があがるにつれ、累進課税で税金がふえ、配偶者の扶養控除等もなくなり、育児助成金もほとんどもらえません。それだけならまだしも、病気になったときの医療費負担の上限が、恐ろしく高くなります。
『21世紀の資本』にもあるように、上位10%の富裕層はおそるべき財を蓄えています。しかしながら、少し収入が多いようなかつて"中流階級"とよばれた層は、貯蓄や資産に回せる部分はたかがしれています。結果中流階級はほぼ形骸化しています。
結局政治家は2世、3世と財と人脈を築きながら富裕層を目指し、中流階級は消失し、最終的に格差社会のますますの深刻化につながるわけです。
岸田さんのいう「格差社会の是正」だったり、「分断から協調」といったスローガンも、全く心にひびきません。おかみは別次元で、それ以下はみな協調といったところでしょうか。
石破さんは、韓国や中国への比較的好意的な発言や、協調性の乏しさから、その政策がかなり不安視されています。確かに、非常に危険な首相になりえるかもしれません。
しかしながら、今まで自民党内部で、安倍政権にわずかながらでも表立って"No"といってきたのは石破さんぐらい(あとは小泉さんもいますが、彼は能力0としか思えません)しか思い当たりません。個人的には一度政権を握ってもらい、思った以上に素晴らしければそれでもちろんいいですし、ダメなら国民全体で"No"をつきつければいいのではないでしょうか。
おそらく、今回は予想通り、菅さんが安倍さんの後継者となり、総理となるのでしょう。
そしてうまくいけば、そのままやっていけるのかもしれませんが、失敗したら、安倍政権のツケも全部菅さん一人が背負い込むはめになるのでしょう。
その時のことを見越して、今回は負けを覚悟しつつ石破さんが総裁選に出馬してきたと思えてなりません。
政治はもちろんですが、政治以上にマスコミのあり方、マスコミにいいように操作される世論が恐ろしくてなりません。