【人生プラスワン】旅のしおりのすすめ
旅行はわたしの人生で、心の大きな部分を占めている。
はじめましての自己紹介をする際、反応がいいのも旅の話だ。
若いころはバックパッカーやってましたとか、世界一周のクルーズ乗ったことありますとか、北朝鮮行ったことありますとかとか。このあたりはウケがよいネタたちだ。
旅が好きかと言われたら、「大好きです」と自信をもっていえる。
んがしかし、理由はいろいろあれど、いまのわたしは昔のようにぴゃぴゃぴゃー!っと気ままに旅に出る機会が激減してしまった。寂しい気持ちもあるが、それはさておき。
自由な旅ができなくなった分、たまの旅行は一つひとつを思い出深いものにしようと、以前よりも意識するようになった。そのなかで取り入れているものが、タイトルにある旅のしおりだ。
旅のしおりは、大人がやっても楽しいのだ。むしろ大人がやると楽しいのだ。人生を充実させるヒントとして、よかったら参考にしてみてほしい。
懐かしの旅のしおり
旅のしおりと聞くと、あなたは何を想像するだろうか。
わたしの場合は、やはり小学生の頃の林間学校や修学旅行だろうか(いまの小学校にも林間学校ってあるのかな?)
昭和の時代では、こういった宿泊を伴う郊外学習の場合、しおり委員会なるものが発足され、その人たちが手書きで作った原稿を印刷し、大量の紙をひとりひとりが折々して、旅のしおりを完成させていった。
紙を折る作業はおっくうな記憶として残っているが、わたしはこのめちゃくちゃ分厚い旅のしおりをみるのが大好きだった。日程表だけじゃなくて、バスの座席表とか部屋割りとか、その土地の情報みたいなのも載っていたような気がする。見ているだけでワクワクした。
旅のしおりは、旅のはじまりをパワーアップさせてくれる。
まるでドラクエの序曲のように旅のはじまりを盛り上げてくれる存在だ。
旅は「はじまりと冒険と思い出」
旅は、時間的な要素でいうと3段階にわかれる。
簡単にいえば、旅行前・旅行中・旅行後だ。
これだとなんだかバイブスがあがらないので、勝手に
としてみよう。単に旅行前・中・後と言うより、なんだかロマンチックだと思わないか? なんだか言葉の粒度があっていない気もするが、こういうのはあまり気にしない方が、人生は気楽に楽しめる。
旅のしおりは、この「はじまり」を彩るアイテムだ。
昔のファミコンのソフトは、ソフトと一緒に説明書がはいっていただろう。そう、冒険の手引書だ。
あんなもの、なくてもはじめることはできる。でも読むとなんだがワクワクしてこなかったかい? 家電の説明書とはわけがちがう。あれば、わたしたちが勇者になるために用意された、最初に手にはいる特別な巻物なのだ。
さっきからドラクエでのたとえ話が多いって? 仕方がない、そういう世代だから他に語彙力がでてこないのだ。とにかく、旅のしおりはなくても冒険はできる。でもあるとないとではなんだか気分が違う、冒険への招待状だ。
大人になってからのはじめてのしおり
学生時代で卒業したはずの旅のしおりが、わたしの人生に再び登場したのは20代だった。
当時の職場の友人と、富士急ハイランドに遊びに行く予定があったのだが、一つのサプライズとして、旅のしおりを作成することを思いついたのだ。
スケジュールの共有はもちろんだが、一緒に行く仲間へのメッセージも添えて作成することにした。きっと、あのワクワク感もプレゼントすることができるかも。そんな淡い期待をこめつつ。
きっかけはこんなささいなことだったが、結果的に自分が思っていた以上にみんなが喜んでくれる結果となった。だいぶ未来で「いまでもうれしくて、もっている」という言葉をきいたとき、倍々返しでよろこびが返ってきた。この成功体験が、ことあるごとにしおりを作成するきっかけになったのは間違いない。以来、旅のしおりを作るようになった。
旅のしおりの効能
旅のしおりの魅力は、開いた瞬間から始まる。もらってみるとわかると思うが、旅のしおりは「なにが書かれているんだろう」というワクワク感からはじまる。おなじことを繰り返して申し訳ないが、旅のはじまりの気分を盛り上げるのにピッタリのアイテムなのは間違いない。
そして、幹事的な目線でいうと、みんなに知ってほしい情報をまとめられる。これは人に伝えるという目的だけでなく、自分の備忘録としてもかなり役にたつ。
日程表はその最たるものだろう。何時出発の電車に乗らないといけないんだっけ?や、ツアーの時間は何時だから、そのためには〇〇に何時までにいないといけない…などといった情報を、一つにまとめておくことができる。乗り換えアプリだけではできない、旅程全部を俯瞰して共有できる実用的なツールだ。これは結構、幹事的に安心材料になる。紙に印刷しておけば、メモかわりにも使えるしね。スマートフォンの中だけでは得られない、アナログならではの安心感がある。
脳内インプットが完璧な人や、旅行は予定なんて決めなのが楽しいんだぜ!という感覚派の人には日程表なんてたしかに不要の長物かもしれない。でも、そんな人も自分あてのメッセージが旅のしおりに含まれていたら、つい読んでしまわないだろうか?
旅のしおりは、一緒に旅行する旅の仲間たちとの一体感を生み出すことにも役に立つ。オリジナルな旅のしおりは「わたし・わたしたちだけ」の特別なしおりだ。この特別感は、旅を自分の冒険にする大切な要素になる。
しおりづくりのコツ
基本的な構成要素
旅のしおりには、まず基本となる情報を盛り込むのがおすすめだ。日程表、集合場所と時間、持ち物リスト、緊急連絡先などだ。これらの実用的な情報は重要なものだが、しおりづくりはここからが本当の腕の見せどころ。
パーソナライズの魅力
基本的な情報だけでは満足できないと思ったら、パーソナライズの要素をいれてみよう。旅行メンバーそれぞれの個性や、グループの思い出を織り込んでいくと、より特別な一冊に仕上がる。
例えば、メンバーが複数人いるなら、個別メッセージなんておすすめだ。「〇〇しようね」といった簡単なものでいい。もし参加者同士にはじめましての人たちが混じっているようなら、簡単な他己紹介をいれてあげるのもいいだろう。
あとは、その土地にまつわる豆知識などもよい。その土地を楽しむきっかけつくりに貢献してくれる。もしあなたに事前調査が十分にとれる時間があるなら、その土地のクイズや謎解きをいれてあげるのも楽しいだろう。
こういった情報をもりこめば、情報共有ツールから、思い出の品へと昇華させる要素となり、思い出がますます増えていくだろう。
デジタル時代のアナログの価値
スマートフォンやタブレットで簡単に情報が手に入る現代だからこそ、手作りの旅のしおりには特別な価値がある。
手書きの文字や、切り貼りした写真、イラストなどは、デジタルでは表現できない温かみや愛情が込められる。友人が旅のしおりの表紙を手書きしてくれた時は、本当に特別なものができあがっていく体感があった。
とはいっても、すべてを手書きにするのは大変だ。
わたしの場合、基本はCanvaやphotoshopなどのツールを使って作成することが多い。手書きの文字やイラストをいれたいときは、ipadなどで書いた素材を写真として取り組み、配置させる。
作成ツールはデジタルだが、最終のアウトプットは「紙」でわたすのが個人的にはおすすめだ。今はネットで完結する旅の日程表などもあるが、紙をおすすめするのは、『見て・触れる』ことができるからだ。五感はなるべく多く使った方が、思い出に定着しやすい。
オリジナルのしおりを作成したら、是非印刷して相手にわたしてみてほしい。
参考までにわたしの過去の作成物公開
あなたのしおりづくりの参考になるよう、わたしが過去に作成したしおりを公開
※こちらは記事に次第、随時アップデート予定
大人だからこそ旅のしおりを
大人になると、1年があっという間に感じる人は多いはずだ。
時間の感じ方と、人の心の動きは連動しているといわれている。
子供の時は何を見ても・何を体験しても新鮮で感動するけれど、大人になるにつれて、新しい発見や驚きがなくなってしまう。つまり
ということらしい。
だったら、大人になったわたしたちがしないといけないことは簡単だ。
少しでも多くの、心や気持ちのふり幅が大きくなること。
そういったものを一つでも人生に取り入れていくこと。そうわたしは考える。
旅のしおりはそんなアイテムの1つに、きっとなってくれるだろう。
これは単なる情報の束ではなく、旅の物語を紡ぐ大切なアイテムだ。
作る側も受け取る側も、その過程で旅への期待が高まり、より深い思い出作りにつながっていく。大人になったいまだから、旅にいくなら旅のしおりを是非!