ほっこりから 切り離された今みつめる あの日。
珈琲を飲むことは 私にとって尊い。
ある年の冬 私は 大好きだった人とともに
コーヒーショップに座っていた。
自分のホームでも 相手のホームでもないその街で
私は カードを引きながら コーヒーを片手に
自分のブログの記事を書く。
目の前で 相手はノートパソコンで仕事をしていた
手持無沙汰なわけではないけれど
私は時折 仕事中の相手を見る。
気づかれたら 「なんでもない」とまた コーヒーに手を伸ばす。
どれだけ 気づかれずに様子を見るか!
そんなチャレンジを一人でして遊んでいた。
目の前にいた相手がふいに
声をひそめて 「あのひと たぶん ゆきみのこと描いてた」
確かに この席に座る前 その絵を描く人は
別の席に座ってオレンジジュースを飲んでいた少年を描いていたのを
私もちらっと見ていて カフェでスケッチとかかっこいいねと
話していた。
その人から私たちがいるその方向には私たちしかいない
いやいや椅子かもしれない 机かもしれないと話して
その人のほうを向いた
その人は にこっとして手を振った。
見回すが私たちしかいない・・・。
そして スケッチブックをこっちにちらっと見せて
「thank you」と言って その席を立ち 去っていった。
私が カードを引いたり 相手を見たりしている間に
オレンジジュースの少年から
私たちにスケッチの対象が変わっていたことなど
私は気づくことはなかったが
仕事をしながら こっちに目線が向いていることに気づいていた相方は
その時すぐに教えることなく 時間をおいて私に告げてきたのだった。
明らかに タロットカード片手に
気づかれずに様子を見るかチャレンジ中の私の
様子がそこに切り取られていて
そんなことで遊んでいたことも 目の前にいた相方もわかっていて
その様子を 描くその人もその場で こちらを見ていて・・・。
あの時間に 私の周りに流れた時間は
優しく あたたかかった。
相方も その人も その時間を楽しむ私を包んでくれていたってことだ。
あの時 あの場所 あの出来事は
嘘みたいで でも本当にあって・・・
今 思い出して また 顔がほころぶ・・・。
幸せな時間とは こういう時間のことかもしれない
なんだか 人の企画にもやっぱり乗らなきゃね😁って思えている。
なんだか何気ない日常の思い出が今は大事かもしれない。
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