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殺菌シリーズ第三弾:米軍のエボラ、炭疽菌の除染法

第一弾ではマウスウォッシュ、第二弾ではキャンプでの飲水フィルターを見てきた殺菌シリーズですが、今回は短めに米軍のエボラ対策を見てみたいと思います。

2014年に西アフリカであったエボラのパンデミック。記憶に新しいですね。上の写真は米軍が2014年9月にリベリア共和国へと派兵される様子です。米軍は現地に医療キャンプを設置して感染者の救済にあたりました。

そんな危険な任務を遂行するにあたって、エボラウイルスに汚染されているような機器の消毒や現地でのエボラウイルスで汚染されている可能性の高い水から飲水の確保はどのように行ったのでしょう?

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結論から言うとこのthe U.S. Army Natick Soldier Research, Development and Engineering Center所属のDr. Christopher Doonaさんが開発した新システムによってエボラによって汚染された機器や水をあっという間にキレイにしてしまう事が可能になったのでした。

Dr. Christopher Doona, the lead inventor of this field-portable method for generating ClO2, is a senior research chemist at the center, known locally as Natick Labs, with extensive experience in ClO2 reaction chemistry. Doona and his team are credited with inventing and perfecting this process of converting dry powder chemicals into ClO2.

このDoonaさんは軍で働く化学者として優秀な業績を讃えられて、2013年に Outstanding Service Awardを受賞しています。そんな彼が開発したのは僻地でも使用可能なように「電気を必要せずに粉から二酸化塩素を生成するシステム」でした。これによりエボラに汚染された機器の除染が簡単に!

上のリンクにあるように、この技術は2015年に特許が認可されています。Doona氏が第一著者となっていますね。

In the modern age, the effectiveness of ClO2 was confirmed at the dawn of the new millennium. In the weeks after the 9/11 attacks when terrorists sent anthrax in letters to public officials, hazardous materials teams used ClO2 to decontaminate the Hart Senate Office Building, and the Brentwood Postal Facility.

上記の陸軍の広報サイト(army.mil)の記事には9/11の時に炭疽症を引き起こすAnthrax炭疽菌で汚染された封筒がアメリカ政府機関へと複数テロリストから送りつけられ、対処にあたった米軍はこの二酸化塩素ClO2をつかって除染したという経緯が書かれていますね。

まとめ

米軍は二酸化塩素ClO2を用いてエボウイルスや炭疽菌で汚染された可能性のある機器、水の除染を行っていて、特許も取得している。

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