映画「シリアナ」を鑑賞して

昔観た映画「シリアナ」をふと思い出し、
再度視聴した。(20年まえの映画!)

元CIA工作員ロバート・ベアの著作「See no evil」(CIAは何をしていた?)をもとに制作。

中東で長年諜報活動をおこなうCIA工作員(G・クルーニー)

米のエネルギーアナリスト(M・デイモン)

中東の国の王子

パキスタンから米へ労働者としてやってきた父子

石油会社の合併に関する調査をおこなうワシントンD.Cの弁護士。


など、それぞれの異なる立場や視点から、それぞれのストーリーが展開し
どこかでつながり、影響していく。

複雑で多層的な話の展開で、一気にすべては把握できないが
私が心に残ったのはこの弁護士のストーリー、
そしてパキスタン労働者の青年のストーリーである。

石油をめぐりあらゆる思惑が交錯するなか、
弁護士は葛藤しながら、最終的に「倫理」を選び取り
不正をおこなった人物を挙げる。

彼はアフリカ系アメリカ人である。
以下、筆者の勝手な憶測を述べる。

彼の父親は元、国の機関の職員ではないか(刑事?)
引退後も未解決捜査を気にかけている。

アフリカ系として機関で仕事をするにあたり
様々な困難に直面したのではないだろうか。
アルコールの問題がある。
おそらく、彼は幼少より父から暴力を受けていたのではないか。

確執がある。

最後、不正を暴いたあと
彼は帰宅し、いつもは優しく出来ない父に声をかける。
「家へ入ろう」
毎日ポーチへ座る父は、息子の帰りを待っていたのだ。

アフリカ系として米国で生きること。
彼は仕事をするなかで法曹・司法などさまざまな人物と関わるが
彼らの”表面”の態度ではなく
彼らの”考え”をみているように感じた。

非言語的なものをいつも感じている。

「家へ入ろう、ビールも持って」
このシーンは、彼が苦難の歴史を感じ
経験してきたこと
そして父親の苦悩を理解した、人間としての勝利を示す
静かなシーンだ。

馬鹿正直だと金にならないよな。

でも高潔でありたいよ。


などと、完全に個人的な解釈をしてしまう。
筆者の勝手な解釈です!
おもなテーマは利権をめぐり交錯する話のなかで
搾取され続ける弱者や、駒として殺害される工作員などを描く
この世界は美しいだけじゃない

・・でも、そのなかでも正しいことをしようと考える者も多数居る。

この国の王子も
資源を自国で管理し、他国と公平・平等に交渉したい
議会を作り国を再建したい
女性に教育と権利を、との熱い思いがあった。


彼らの事を弱者とみなすのはいいが、
羊の皮をかぶった狼は、本当は誰なのか。

Texas accents.とレビューに書いてあった。



みなさま、すてきな週末をお過ごしください🙇✨


G・クルーニーが制作に関わった中東を舞台とした映画「アルゴ」は淡々としていて好きだった。

奥さんアマル・クルーニー(人権弁護士)さんも、とても素敵な女性!!
素敵なご夫婦ですね(^▽^)/



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