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【受験体験記】高圧ガス製造保安責任者 甲種化学

こんにちは、しろもです。
昨年(2024年)の11/10(日)に、ある資格試験を受験しました。
高圧ガス製造保安責任者 甲種化学 です。
合格発表は来週なのでまだ合否はわかりませんが、手応え的に受かってると思うので、偉そうに記事を書いてみます。結果がわかったらまた記事にします。

実は入社1年目に乙種化学には合格していたのですが、最近になってステップアップしたいと思い、受験を決意しました!
この資格がどんな資格なのか、高圧ガスに従事している方でないとなかなか触れ合う機会がないと思いますので、簡単に説明します!


高圧ガス製造保安責任者ってなに?

きちんと説明すると難しいのですが、簡単に言えば
高圧ガスに関する事業所において、設置しなければならない職務に選任されるために必要な資格です。
例えば、1日の処理能力が100万m3以上の高圧ガスを扱う事業所にはその保安に係る統括的な業務を行う者を選任しなければなりません。これは高圧ガス保安法により定められており、保安技術管理者と呼ばれています。
この保安管理技術者に選任されるためには上記で説明した高圧ガス製造保安責任者 甲種化学(または甲種機械)の資格が必要となるのです。

化学系国家資格で一番有名なものは危険物取扱者かと思いますが、化学業界ではこの次くらいに有名な資格かと思います。危険物取扱者が固体や液体に関する資格なのに対し、高圧ガス製造保安責任者は気体に関する資格と思っていただいて差し支えありません。

資格の分類

高圧ガス製造保安責任者にはいくつかの分類があります。

  • 化学及び機械

    • 甲種化学・甲種機械責任者

    • 乙種化学・乙種機械責任者

    • 丙種化学(液化石油ガス)責任者

    • 丙種化学(特別試験科目)責任者

  • 冷凍機械

    • 第一種冷凍機械責任者

    • 第二種冷凍機械責任者

    • 第三種冷凍機械責任者

それぞれ免状の種類が異なりますが、今回は受験者層が多いであろう
甲種化学・甲種機械責任者
乙種化学・乙種機械責任者

に焦点を当てて説明していきます。


甲種化学、甲種機械、乙種化学、乙種機械のちがい

化学メーカーで研究開発やプラントリーダーなどをされてる方は、会社からこれらの資格取得を推奨されることがあるかと思います。ここでは、上記4種の資格の違いについて説明します。

甲種化学・甲種機械
保安主任者、保安係員、ガスの処理能力が100万m3以上の事業所での保安技術管理者、などに選任できる。

乙種化学・乙種機械
保安主任者、保安係員、ガスの処理能力が100万m3未満の事業所での保安技術管理者、などに選任できる。

保安主任者、保安係員、保安技術管理者、というのは、(ある条件を満たした)高圧ガス事業所に選任しなければならない役職です。保安主任者や保安係員は乙種の免状を保有していれば選任OKなのですが、保安管理技術者のみ、100万m3以上の事業所では甲種の免状が必要になります。

危険物取扱者などと同じで、乙種にはある制限がかけられていて、甲種は制限がないというイメージですね。以上のことから、大きな研究施設や工場などでは甲種の免状が必要になることがあります。

次に、化学と機械の違いですが、これは受験科目の違いのみです。高圧ガスの試験には「学識」「保安技術管理」「法令」の3科目があり、これらすべてに合格すると免状が得られます。これらのうち「学識」と「保安技術管理」は化学または機械のどちらかが選べて、どちらで受験しても免状がもらえます。ですので、たとえば甲種を受験する際、化学が得意な方は甲種化学を、機械(物理系)が得意な方は甲種機械で受験すればいいだけです。甲種化学も甲種機械も資格の種類としては同じです。どちらもガスの処理能力が100万m3以上の事業所での保安技術管理者に選任できます。

試験の内容は?

高圧ガス製造保安責任者免状を取得するためには、製造保安責任者試験(国家試験)において「学識」「保安技術管理」「法令」の3科目を受験し、これら全てに合格する必要があります。試験は年に1回、11月の第2日曜日にあります。

学識

甲種化学
高圧ガスの製造に必要な高度な応用化学
甲種機械
高圧ガスの製造に必要な高度な機械工学
乙種化学
高圧ガスの製造に必要な通常の応用化学
乙種機械
高圧ガスの製造に必要な通常の機械工学

甲種、乙種ともに試験時間は120分で、乙種はマークシート形式、甲種は資格試験では珍しい記述式です。どちらも6割以上の得点で合格となります。
高圧ガス製造に関する化学や機械の基礎知識が問われる試験で、一部大学レベルの内容も含まれます。しかし、高校や大学で学んだ化学や物理の知識があればある程度カバーができるので、理系の方にとってはアドバンテージがあると思います。

保安管理秘術

甲種化学
高圧ガスの製造に必要な化学に関する高度な保安管理の技術
甲種機械
高圧ガスの製造に必要な機械に関する高度な保安管理の技術
乙種化学
高圧ガスの製造に必要化学に関する通常の保安管理の技術
乙種機械
高圧ガスの製造に必要な機械に関する通常の保安管理の技術

甲種、化学ともにマークシート形式の択一式で、こちらも6割以上の正解で合格です。
保安管理技術というのは、簡単に言えば高圧ガスを扱う際に安全に使用できるような知識があるかを問われる試験です。こちらは高校大学で学ぶ理論科学の知識というよりは、現場での実用的な知識が問われるため、イチから勉強しなくてはならない分野かと思います。

法令

甲種、化学ともにマークシート形式の択一式で、こちらも6割以上の正解で合格です。高圧ガスに関する法令(高圧ガス保安法)の試験で、甲種と乙種で試験問題は違いますが、試験範囲や難易度は同程度です。

検定制度

高圧ガス試験の免状を得るには国家試験に合格する必要がありますが、3科目受験はウエイトが重く試験内容も難しいため、救済措置のような制度があります。それは、高圧ガス保安協会が実施する講習を事前に受講し、「学識」「保安技術管理」の検定試験に合格した場合は、国家試験のとき「法令」のみを受験すればよいことになります。
しかしながら検定試験もある程度難しいので、きちんと講習を受講することをお勧めします。

最後に

以上が高圧ガス製造保安責任者の概要になります。
次回は、私が受験した甲種化学についての勉強法などを紹介していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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