こんげん。
好きなかき氷の味。
好きな喫茶店のにおい。
昔見ていたテレビ番組。
無意識に出てしまう口癖。
人と話す時は絶対に手を止めて話を聴く、その価値観。
日常の中の、ちょっとした好みが同じだったあの人。
普段のくらしが苦しくなるのは、目の前にあるひとつひとつが思い出させてしまうからなのか。
マニアックなボードゲームをした楽しい時間。
鉄板のいじり。
はしごしたおいしいお店たち。
もう無理。
ここまで一緒に世界を楽しめる人と出会うのは。
もとから友達も家族もいない人生。
唯一、安心して関われた人。
寂しさも、依存も、自分の弱さすべてが人との関わりを壊してしまう。
自分が変わらないと何も変わらない。
藁にもすがりたい気持ち、溺れそうな人に「泳げるようになれ」と言えるのだろうか。
そんな屁理屈で、絶望に甘えている自分はこれからも同じ過ちを繰り返す。
愛されたい人生だった。
愛したい人生だった。
ひどい、自分。