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🇨🇳#36 ラサ巡礼の夜、功徳を積むのは難しい〜チベットその2〜
1日目夜。
街を歩いていたら「ポタラ宮のライトアップ、超ばえるらしいよ(中国語)」という若者の会話を小耳に挟んだので、仕事を終えてから夜、街に繰り出してみた。
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ラサの最近の日没は21:00頃。
暗くなるにはまだまだ時間があったので、まずはホテルから歩いて3分の所にあるトゥルナン寺広場を訪れた。
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トゥルナン寺の中に入るには事前の予約が必要で、明日(DAY2)の午後、ロサンさんと参観する予定である。
なので、わたしが今いるのは、寺を囲んだ広場だ。
このトゥルナン寺はチベット仏教の総本山で、チベット仏教徒(主にゲルク派)達が一生の悲願として訪れる、いわば聖地だ。
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チベット仏教の信者たちはチベット自治区内だけでなく、アムド地方と呼ばれる四川省や青海省にもたくさんいるため、彼らは冬の農閑期などにラサへやって来ては、寺の前で朝から晩まで五体投地をしたり、寺院のまわりを時計回りに回ったりして「巡礼」をする。
寺院を回る回数は3、7回など奇数が望ましく、急いでいたら1回でもよいのだとか。
(ただし、偶数は不吉なのでNG)
ちなみに、巡礼の目的は、来世でまた人間として、より良く生まれ変わること。
ということで、生まれてこのかた愚行を重ねまくり、今のところ来世はミミズくらいにしかなれそうにもないわたしも、(トイレに行きたくなったという事情によって)早足で寺を一周してみた。
ふう。ʅ(◞‿◟)ʃ
これでなんとか、オケラくらいにはなれそうである。
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トゥルナン寺で超簡易型巡礼を終え、ポタラ宮のライトアップ撮影ができるポジションへと移動する。
(徒歩約20分)
ポタラ宮の向かいにあるポタラ宮広場に、パスポートと入域許可証のコピーを見せて入った。
トゥルナン寺の広場でもそうだったが、地元の人たちは日本人であるとわかると、みなとても優しい。
「こんにちは」とか「ありがとう」と話しかけてくる人もいる。
ロサンさん曰く、チベット族は「仏教を信仰していて、礼儀正しい日本人が大好き」らしい。
そんなことを聞くと俄然やる気になり、チベットでの日本人の株をさらに上げるため、「トゥチェナ(ありがとうの最上級丁寧語)」とか「シュオ(その場を去る人が言うさようなら)」を連発して、需要不明の愛想を振り撒いている。
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19:45、ベスポジを確保。
花見の場所取りで、夕方からブルーシートに座らされている新人の気分だ。
(今はこれもパワハラか…)
何にしろ、彼らと違うのは、どれだけ待っても仲間が来ないということである。
さて。
日没にはあと1時間15分もある。
気温は11度。
6-9月が雨季にあたるラサは、夜雨が降って朝晴れるという不思議な気候で、つまり、今まさに雨が降り出した。
ついでに雷も…。
そして、典型的B型のわたしは、家を出る時に雨が降っていなければ、傘は持たない主義なのだ。
いや、B型でも雨が降りそうなら傘を携帯するのが一般的だろう。
こうして、自分の不注意といい加減さを反省することなく、その原因を血液型に押し付けたわたしは、功徳ポイントを一つ失った。
つまり、さっきの巡礼一周はゼロカウントである。
ふう…。
なかなか寒いぞ…。
そして、腹が減った…。
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それでも、1時間小雨に打たれるという苦行を達成して、なんとかポタラ宮の夜景を写真におさめることができた。
明日、いよいよこの中に入れると思うとワクワクする。
雨に打たれたので、ホテルに着くと同時にシャワーを浴びてワイマイ(フードデリバリー)を頼むことにした。
おひとり様のわたしは、外に出るのがめんどくさい時はホテルの部屋で食事を済ませる、自称・ワイマイマスターなのだ。
チベットでは、地元料理のほか、隣接する四川省や、ネパール、インドの料理店がある。
ど れ に し よ う か な
ち べっ と の か み さ ま
の い う と お り。
悩んだ末にネパールカレーにした。
東京だと、わたしはよく曙橋でネパールカレーを食べているのだ。
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なんというおいしさだろう。
クミンをベースとしたさまざまなスパイスが効いていながらも、爽やかであっさりとした味わいだ。
ネパールカレーはとろみがなく、サラサラしているので、口当たりが良い。
バスマティライスの水分量とかたさもわたしの好みだ。
ガッガッガッガッ…(食べてる音、文字ASMR)。
こうして、一粒の米も残さず、ネパールカレーを綺麗にたいらげたわたしは、(自己流功徳カウント法により)功徳ポイントを0.5取り戻したのである。
巡礼の旅は続く
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