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🇨🇳#35 念願のラサに着くなり高山病になる〜チベットその1〜

中国一周の旅、最終章。

6/27朝5:30、四川省成都・天府国際空港第二ターミナルにやってきた。
CA2537、成都天府空港発チベット自治区ゴンガー国際空港行きのこの飛行機に乗りさえすれば、わたしは憧れの土地、チベットへ行けるのだ。
それと同時に、中国一周の旅33省・全クリである。

ファミコンのスーパーマリオブラザーズでは4-2から8面へワープしてクッパを倒したわたしだったが、この旅は1-1(上海)からウイグル、甘粛…と、一つ一つの省をやっつけて来たのだ。
砂塵に行手を阻まれ、凶暴なパンダのアイスに大事な前歯を奪われても、一歩、また一歩進んでの、この場所である。

そう思うと、娘・ベビ子の未来の嫁入り資金百万円を私的な旅行にぶっ込んだことはともかくとして、なかなか感慨深い。
ベビ子にしてみたら、全く感慨深くないどころか怒りさえ覚えるだろうが、そこはまあ、なんとゆーか、えっと、その、どんまいである。

ちなみに、誰も聞いてないがお伝えしておくと、わたしの旅には音楽がある。
前半戦はクリーピーナッツの「二度寝」をテーマソングとし、爆音無限再生で流して自分をのせていた。
今は宇多田ヒカルの「道」をリピートで聞いてしんみりしている。
「転んでも立ち上がる 迷ったら立ち止まる…
目に見えるものだけを信じてはいけないよ
人生の岐路に立つ 標識はありゃせぬ…」

ひとり感動タイム中。うるっ…🥹🥹🥹。

いきなりの高山病パンチをくらう

ゴンガー空港内は撮影禁止

ということで東京から上海へ飛行機で三時間、上海から成都へ飛行機で三時間、成都から飛行機で三時間かけて、チベット自治区のラサに到着。

高山病予防薬のダイアモックスを前日から飲んでいたのだが、さすがにいきなり富士山頂上並みの高所に降り立ったため、体調不良になってしまった…。
呪縛霊が十体ついてるような、または歯医者で口腔レントゲンを撮る時に着せられる鉛の防御服を5枚着せられているような、とても地球上にいるとは思えない体の重さだ。
そして、呼吸が浅く、胸が重苦しい…🙄
ち、ちぬ…。

で、秒速20cmで前進してなんとかゲートを出ると、「白丸みそ子」のネームプレートを掲げた男性が心配して駆け寄ってきた。
男性「白丸さんですね?」
わたし「は、はい…」
すると、男性はチベットで祝福や歓迎を意味する白い「ハタ(おけさ)」を優しい仕草でわたしの首にかけてくれたのである。

※内モンゴル自治区ではブルーや赤色だった「ハタ」、ここチベット自治区では白や金が一般的なのだそう。

11才と5才、二児のパパ👨

この男性こそが、これから四日間をともにするチベット族のガイド、ロサンさんだ。
ロサンさんは大学時代、青海省西寧で日本語を学び、2012年からチベットで日本語専門ガイドとして活躍しているそうだ。

ところで、チベット自治区における外国人の観光では基本的に専門のガイドがついて回ることになっている。
ガイド代は食事手当なるものを含めて、一日あたり700元(14000円)近くするので、高いなと思ったが、よく考えたら、わたしは一人旅だからだった。

ロサンさん「ラサ、トモダチと来ればガイド代割り勘で安いですよ」
わたし「うん…でも、さすがにチベットまで着いてきてくれるようなトモダチはいないからな…」
ロサンさん「それは残念です…」 

ただ、いまだよくわからないのが、夜1人で出歩いて良いか聞いたら、入域許可証のコピーとパスポートを常に携帯し、あんまり遠くへ行かず軍事施設へ近寄らなければ大丈夫だとも言われた。
ちょっとの自由行動ならば許されるということか。

ちなみに軍用ヘリはバンバン飛んでいて、空港からトゥルナン寺の近くにあるホテルに向かうまでに少なくとも20基は見た。
誤ってでも撮影なんかしてしまった日には、全省回ってる時点で相当な不審人物だし、なんとか法で捕まる危険があるため、十分に気をつけようと思う。

それから、興味本位でロサンさんにどのくらいの日本人観光客がチベットに来ているのかたずねてみたら、先月は蘇州から5人来て、今もラサに2〜3人の日本人が滞在しているそうだ。
こんな遠くまで大金を払ってやってきて、体もしんどくて、ひどいケースでは高山病による肺水症で緊急入院した日本人までいるというのだから、皆よほどのMに違いない。
もし街で出会ったら、チベット・ドM同盟を作ろうと思う。

しばらく休憩し、ぼちぼち体調が回復してきたので、ロサンさんとチベット料理屋へと向かう。

塩味でちょっとクセがあるバター茶

久しぶりに飲むバター茶。
以前、アムド地区で飲んだ時はきっついなと思ったが、今回は意外といけた。

チベット族は(基本的には)魚を食べない。水葬の習慣があるためらしい。

ヤク(野牛)肉と大根の漬物の炒め物。
大根というか、おそらくはビーツ? 
酸味のある漬物と塩辛い牛肉は意外な組み合わせでおいしかった。

モモ(ヤク肉入り餃子)

モモは、チベットの伝統的な餃子。
その場で包んで蒸してくれた。
皮も肉質もややかためだが、食べ応えがある。
辛味のあるタレで食欲が増し、モリモリ食べた。

ヅァンパ(ハダカムギとバター茶を混ぜて握ったチベットの主食)

なんか懐かしい味がする…。
食感は異なれど、ラクガンにも似ている優しい甘みだ。
家で食べる時は、各自自分で混ぜて握って食べるそうだ。
ホテルの朝食にもあるそうなので、自分で作って食べてみようと思う。

市内にあるタンカホテル

15時から会議があったため、14時ごろロサンさんにホテルまで送ってもらってお別れ。

仕事を終えた18:30の現在、これより一人で街に繰り出すことにする。

ちなみにラサはまだ昼の明るさ…。
21:00くらいにようやく暗くなるのだそうだ。

では、行ってきます👋

ようやくピンクに染まりました♡


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