予防のはなし④-食生活編/脂肪酸
さまざまな脂肪酸-オメガ3
前回の記事ではオメガ9と呼ばれ脂肪酸について、お話しましたが、今回はオメガ3についてご紹介していきます。オメガ3もオメガ9と同じ不飽和脂肪酸の1つです。
主な成分はαリノレン酸、EPA、DHAで、血中の中性脂肪を下げたり、動脈硬化を防ぐなど、生活習慣病の予防に役立つ働きをしてくれます。以前の記事でも紹介しましたが、アルツハイマー型認知症に次いで多い脳血管性認知症は、主に生活習慣病に起因する脳血管障害が原因ですから、認知症予防の重要な要素ですね。
オメガ3脂肪酸には、植物性でシソ科の植物に多く含まれるαリノレン酸と、動物性で魚に含まれるEPA・DHAがあり、どちらも人間の体内ではつくることができないので、積極的に取り入れる必要があります。1日の摂取量目安は、男性で約2g、女性で約1gとされていますが、日常の食事の中でその量を摂取するのが難しいのが、問題です。
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によれば、EPAやDHAの含有量は次のようになっています。一例ですが、
魚料理は手間もかかりますし、昨今は共働きの家庭も多く、必要な量を毎日とるのは、なかなか難しそうですよね。シソ科の植物に含まれる脂肪酸にいたっては、どうやってとるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
どうやって必要量摂取する?
そこで、量を意識して、比較的手間をかけずに、オメガ3脂肪酸をとるために、便利な商品を2つご紹介したいと思います。
一つは「えごま油」というオイルです。シソ科のえごまの種子を原料としており、αリノレン酸を多く含むオイルです。最近では、目的に合わせて様々なタイプのオイルが販売されていますが、これもその一つですね。1日小さじ1杯を目安に、サラダにかけたり、味噌汁にいれて使います。(熱に弱く酸化しやすいため、加熱調理は厳禁だそうです)これだと継続できそうですね。
もう一つは魚の缶詰です。様々なおさかなで、色んな味のものが出ていますので、ちょっと手を加えれば、立派なおがずが出来ますし、「栄養成分表示」にEPA・DHAの含有量も載っていることが多いので、1日の摂取量目安を目指しやすいですよね。
今後、レシピも紹介していきたいと思っています。