悪いことは言わないから『大学』は行っとけ!
プログラマーなどの専門職が脚光を浴びる時代になった。
これは、堀江さんやひろゆきさん(近年ではまこなり社長)などがプログラミングについて普及してきたことが理由としては大きいのではないかと思う。
専門的な学習(分野を問わず)をするならば、大学には進学しなくても大丈夫じゃない?的な風潮がささやかれていると聞いた。
そのことについて、『悪いことは言わないシリーズ』で書いていこうと思います。
今日はそんな話。
大学の重要性
前職では、大量採用で同期が40名くらいいた。
その中で、専門的な学問。ここでは仮に化学にしようと思う。
化学を専攻していた私立の工業大学出身の人は、同じ同期で工業高校(化学専攻)を卒業している人物よりも、化学の知識に疎かった。
私は、「?」が浮かんだ。
工業高校の3年間と大学の4年間でどうして高校の3年間しか学んでいない人物の方が知識があるのか。不思議でならなかった。
確かに工業高校卒の彼は『地頭』が良い人物であったと記憶している。
話す言葉も愉快で面白く、何より博学だった。
その彼と数名の私大卒の彼らでは、入社当初から高卒の彼(以下Aくん)が優位だった。
Aくんの話
少し、Aくんの話をしよう。
Aくんは兄弟が3名いる家族の長男だった。
母を小学生時代に亡くしたと言っており、ほぼシングルファーザーで育ったそうだ。母の記憶はないと話していたので、小学1、2年生だったのだろう。
彼の父は母親が亡くなり、元々そんなに稼ぎがあるわけではなかったから、かなり頑張って、バイトなども掛け持ちしていたらしい。
そんな父を見て、家にお金を入れるため、工業高校に進み就職したと言っていた。
普通にもったいないなと思ったが、高卒だった私はそんなことを言えた義理ではなかった。
先日、ある人がYouTubeで言っていた言葉を思い出した。
「家庭環境のせいにして、大学に行かなかったは甘えだ。俺は奨学金借りて国立の大学に入った。」とその人の考え方なので、その考え方に文句があるわけではないが、本当に優しい人物はこんな考え方をすることは無いのだろうとAくんを思い出した。
会社での評価と社外での評価
Aくんは人の話を聞くのも上手いし、仕事を覚えることも、教えることも上手かった。
そしてなりよりも、いつも笑顔を絶やさないイケメンだった。
私はいつも仏頂面のイライラマンだったので、彼が羨ましかったのかもしれない。
ほどなくして、同期の数名が役職者になり始めた。
当時の会社では、学歴で最初の査定が決まっており、大卒は一つ査定があがると役職を貰えたのだ。
私大卒の彼らが。役職者になった。
Aくんは二つ査定が上がるほどだったが、自分よりも無能な彼らに使われていた。
程なくして、Aくんが転職を考えていると言い出した時には、そりゃそうだと思ったよ。
この会社では、一生学歴に悩まされる恐れがあるのだから。
私もそろそろかな。と思っていたからこそ、Aくんには度々転職の具合を聞いていた。
Aくんは経営コンサルの仕事を希望していたが、大卒のみの採用基準で苦渋を飲んでいた。
二十歳も超えた二人だったので、居酒屋でこんな話をした。
「そんなに大卒が欲しいかね?」
「世の中の仕組みだからね。」
「パンダは悔しくないの?」
「悔しいさ。でも、学歴で判断することに嫌気がさして転職するのに、そんなに学歴を気にしている業界にこだわる理由なんてあるの?」
「学歴をこだわっているからこそ、学歴じゃないことを示したい」
「今の会社では、それが出来ないから?」
「いや、今の会社では、学歴が全てではないことは全員が知っている。だけど、今まで作ってきた歴史をかき乱したくないんだ。あの人たちは。」
「そっか。これからどうするの?」
「とりあえずは、学歴の関係ない人材業界でも目指すよ」
「そっか。応援してる。」
こんな会話だった。
正直社内では、私もAくんも評価は高いほうだった。
だが、社外に出た途端、一端の高卒に成り下がるのだ。
最後に
同期で役職が付いた私大卒の彼らは、どんどん転職していった。
結構有名なコンサル会社や大手メーカーなど様々だが。
Aくんも人材業界最大手のあの企業に入社を決めて、今も仕事に励んでいる。
同期で会社に残ったものは、大卒で優秀だった者と転職がめんどくさい者の二択だったそうだ。
私も辞めた後なので、なんとも言えないが。。。
高卒なんかは能力があろうが、会社に入ってその会社の仕事を完璧にこなしても、結局履歴書は高卒なのだ。
逆もしかり、そんなに能力が低くても、大学を卒業すれば大卒なのだ。
初めから戦っている土俵が違う。
だからこそ、突き抜けた能力や夢が無い限りは、ある程度要領がいい人物でも、大学というステップを経て、会社に入社することをお勧めする。
悪いことは言わないから『大学』は行っとけ!って話。
余談だが、私は学歴コンプレックスに苛まれて生きている。