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眠れない夜中に考えることシリーズ〜未接触部族に思いを馳せる〜
皆さんは「北センチネル島」という島をご存知だろうか。
私は数年前、ネットニュースでこの島を知った。
ナショナルジオグラフィックのこの記事。
この島に接近した米国人宣教師が島の部族に殺害されたのだ。
何故米国人宣教師はこの島に接近したのか。何故先住民族は宣教師を殺害したのか。
記事を読み、調べていくと私の知らない世界が広がっていることが明らかになった。
インド洋に浮かぶ北センチネル島。
地理的な観点から、一応インドの管轄内になるのだが、実はこの島の実態を誰も知らない。
何故ならこの島のセンチネル族は外部との接触を頑なに拒んでいるからだ。
島の内部はおろか、どのような人がどれくらいいて、どのような言語を話し、どのように生活をしているのか、わからない。
過去にも接触を試みた人がいるようだが、武力により拒まれたため、感染症や人道的な面からも、現在はこの島に近づくことが禁止されている。
原住民は数万年前からこの島に住んでいると言われている。ずっと外部との接触を拒み続けていたが、暴力的に交流を拒否するようになったのは19世紀にイギリス人により住民が拉致されたことがきっかけだとも言われている。
ナショナルジオグラフィックの記事の米国人宣教師は、宣教のために島に接近したが、近づく外部の人間は誰であろうと攻撃するこの島の民族。
そんな北センチネル島がどんな島なのか、眠れない夜中に考えるのだ。
誰も知らない島なので想像は自由。
私は言語学に興味があるので、どんな言葉が使われているのか特に気になる。
こうしている間にも絶滅していく言語が多くある中でこの島の人達が使う言語はどのように継承されていっているのか。文字はあるのだろうか。母音子音はいくつあるのか。元々の言葉はどの語族に属するのか。同じ語族のものがあるとすればその言語がどのように進化し変化したのか、もしくは保存されているのか…
興味がありすぎる。
他にも、文化が好きな私は文化も気になる。
発達した文化があるのだろうか。もうずっと外部との交流がないこの島では独自の文化が育まれていったのではないだろうか。衣食住はどれほど発展しているのだろうか、していないのだろうか、など。
どれだけ考え妄想しても答えは誰も知らない。
だからこそ面白いしわくわくする。
彼らが交流を拒否するならもちろん干渉するべきではないと思う。善意で接触を試みた結果部族の消滅に繋がる可能性も否めない。世界で最後と言われる未接触部族の固い意志を尊重したい。
ずっとわからないままでいい。
ただ、インターネットや交通網が発達したグローバル社会のこの時代に、「この星で最後の秘境」と呼ばれるような島の存在がとても興味深い。
外部と接触しない、そんな生き方を今こそ学ぶときなのかもしれない。