
行っていらっしゃいへの願い
願い込めいつも通り行っていらっしゃい
いってらっしゃいは、行っていらっしゃいが語源。
無事に帰ってきてほしいと願う言葉。
今朝、娘が国家試験会場に向かった。
何事もないように、特別な見送り方をしないように
私はいつもどおり「いってらっしゃい」をこうしてパソコンを叩きながら言った。
試験会場まで短い距離だが、何があるかわからない。
とにかく、何事もなく、ただ、
「無事に帰ってきてほしい」の願いだけ。
彼女は普段通り「いってくる」の言葉をアイコンタクトで私になげた。
この子にはじめて行ってらっしゃいと言ったのはいつだろうと、娘を見送りながら考えてみた。
1歳で入園した保育園だっただろうか。
小さな教会の保育園で、神父の園長先生が出迎えてくれた。
クリスチャンでもないのに、抽選の結果4番目に希望した保育園だったけれどあったかくてとても素敵な保育園だった。
無条件に私を信じる娘は担任の先生の腕の中で小さな手をふっている。「案外平気なんだな、」と安心していたが、ひと月もするとそれまでの穏やかな別れは、無理やり引き裂かれるような場面へと変貌した。
そんな日はあっという間に過ぎていき、気づいたら「いってらっしゃい」と言う私への娘の返答は無言のアイコンタクトにかわっていた。
今朝も変わらずそんな様子。
高校受験の日は推薦でほぼ決まっていたものの。心配で会場の最寄り駅まで送った。
大学受験の日は、どうだったっけ?
辛いことも大変なことも楽しいこともうれしいことも
ほとんど教えてくれない。
小学生の頃はいろいろ話してくれたけれど、反抗期はまだつづいているようだ。
でも、一浪したときも、翌年の共通テストが合格ラインに行かなかった時でさえも淡々としていたのに、第2希望だった今の大学の合格発表を見た時は二人で泣いたね。
もう、来月卒業か。
とりあえず、今日を終えてとにかく、
無事に帰ってきてほしい。
今日、娘と同じように試験に向かわれてる皆さん。
どうぞ無事にお家に帰りますように、願っています。