白の俳句道場風【第6回】
書いている自分でも何回目か忘れるほど不定期な俺企画『白の俳句道場風』。
多分第6回だ。
今日は、白杯に投句してくれた如水珈琲店☕️メンバーの句をもとに、展開していきたい😏
まずはうさうちゃんの作品
なんと、うさうちゃんは白杯で1番のり😊
企画がスタートしたのは10/1 0:00だが、そのわずか30分後に投句してくれた。
その作品がこちら。
秋の季語 探せど気温 三十度
みごと企画の主旨どおり、秋っぽい俳句を詠んでくれた笑
さて、まじめに添削しちゃうぞ!
俳句添削!
まずは表記の仕方。
俳句は五七五と学ぶため、初心者のときにするのが、空白を入れて記載すること。
しかし、これは俳句の奥行きを減らしてしまうのでぜひ改めてほしい!
秋の季語探せど気温三十度
こう書くと、
秋の季語探せど/気温三十度 と、意味が区切られるのに気づく😏
当時は、暦上は秋といっても、まだまだ気温は高く、実感としては、まだまだ残暑。うさうちゃんの気持ちはよくわかる。
ちなみに二十四節気で、
秋は立秋(8月8日前後)〜立冬前日(立冬は11月7日前後)
イメージよりもだいぶ夏なのだ笑
さて、うさうちゃんの言いたいことは、
秋の季語を探そうと思ったけれど、そもそも今三十度じゃん!全然秋の気がしねーわ!
という内容の俳句だと思われるので、伝えたいことはばっちり伝わっていると思う😏
季語は「秋」。
定型の五七五もしっかりできている。
つまり、直すところは特になし笑
アドバイス
ということをふまえて、うさうちゃんに俳句上達のアドバイスをするよ😏
まず、良い点!
気温三十度という具体的な数字を示したところがいいね。暑いと言わずともそうやって具体的に示したことで、自然と伝わるよね!
中七下五の句またがりをしつつ、気温と三十度の間に意味の切れ目もあるので、リズムもいい。
次に、さらなる上達ポイント!
季語を含んだ上五「秋の季語」というフレーズ。これを思い浮かべたとき、秋のイメージというより、文字とか、辞書とか浮かんでこない😏?
俳句のポイントの一つに
季語を主役にする
ということがある。
季語はその短いフレーズの中に、その言葉が持つさまざまなイメージを持たせることで、奥行きを持たせる働きがある。
例えば「秋」を思い浮かべると、きっと紅葉だとか、寒さが増していくとか、食べ物が美味いとかいろんなことが思い浮かぶでしょ?「秋」という言葉は、そんなイメージをたっぷり持った言葉なので、それがあらわれるような使い方がいいよ😊
それと、もう一つ。
この句で伝えたいことは、こんな暑くて、まだ秋なんて思えないのに、秋の俳句を詠むなんてどうなの?ということ。
つまり、風刺の思いがある。
実は、俳句と同じ短詩型の韻文に、川柳というものがある。
川柳は、
[2] 〘名〙 (「川柳点」の略) 江戸中期に発生し、一七音を基準として機智的な表現によって、人事、風俗、世相などを鋭くとらえた短詩型文学。もともと俳諧の「前句付(まえくづけ)」に由来するが、元祿(一六八八‐一七〇四)以降、付味よりも、滑稽、遊戯、うがちなどの性質が拡充された付句の独立が要求されるようになり、一句として独立し鑑賞にたえる句を集めた高点付句集が多く出版され、新しい人事詩、風俗詩となった。【精選版日本国語大辞典】
(うがちっていうのが風刺の意味合い)
こんな感じで説明されているんだけど、ざっくりいうと「人を表現する」のが川柳。
そういう意味では、うさうちゃんの作品はより川柳に近いと言える🤔
俳句も人を表現するものがあるし、俺もそういう句が好きなんだけど、基本は「自然を詠む」のが俳句。あくまで、季語を主役とするところに俳句のポイントがあると思うので、次はその辺を意識してみてね😊