「命」を話すのではなく語る…Ep12〜昨日、今日、明日…へ祈り繋ぐ
今日は
明日になると
昨日になる
昨日と
今日と
明日は
姿を変えて
繋がっている
だから
祈る時に
お線香は
昨日に一つ
今日に一つ
明日に一つ
そんなふうに…三本
灯して
そうして祈るのだと
子供の頃に
祖母が教えてくれた
祖母は
添い寝の布団の中で
昔話を
たくさん話してくれた
小さい頃に奉公に出され
とても辛かったこと
真冬の雑巾がけで
小さい手指は
アカギレだらけだったこと
その手を
「ハーッ」と吐息で
温めたこと
悲しいことばかりだったけれど
でも
奥様…という人は優しかったこと
大人になって
嫁いだけれど
なかなか
こどもができなかった
やっとできても
すぐに
亡くなってしまったこと
だから
こどもを祀る仏様を
大切にしていること
昨日と
今日と
明日という日は
ずっと
繋がっている
そして
それが
「命」そのものだということ
だから
祈る時には
昨日に一つ
今日に一つ
明日に一つ…と
祈ること
そうしたら
あなたを
ずっと
守ってくれるよ…と
そんな話を聞きながら
ふとふと…と
眠りにつくのは
幸せだった
いったいこのことを
「命」のことを
誰に伝えよう
誰に祈り繋ごうかと
そう思う