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40代ゲイが語る『The Boyfriend』

Netflix の恋愛リアリティプログラム『The Boyfriend』が話題になっていますねー。国内初の男性同士の恋愛リアリティ・ショーと聞くと、ひねくれ40代ゲイ男性としては気になるもの。「みたら負けてしまう…!」という謎の虚勢もありつつも、好奇心の方が勝ってしまった。配信日に一気見しました。

もともと「恋リア」と呼ばれる類いの番組は観ない。ゲイ男性が出るっつっても、どーせツラの良い優男たちがBLニーズに応えるかのような綺麗な惚れた腫れたを展開するんだろう?なにが面白いんだそんなの。と思っていたのですが、思っていた以上に楽しめた自分が居ました。

恋愛模様はともかく、出演者がそれぞれの価値観をしっかり持っているところを見せつけられたりすると、いつも不安定な気持ちで日常を過ごしているおじさんとして身につまされる気分になりました。若いのにみんなよく考えているなーと感心した。まあ、こんなチャレンジングな企画に参加する人たちだから、しっかりした考えがあって当然だなと思ったりもした。

出演者の中で興味を持ったのは、ゲンセイとユーサクだった。どちらも素っぽい感じで、愛嬌があった。なんで2人とも報われなかったのか。

ダイシュンには興味が湧かなかった。特にダイは、自信満々なタイプでこじらせおじさんからしたら苦手なタイプだなと。

同じく自信満々に見えるアランは、実は一番、俯瞰で冷静に物事を見られているように思えて、第一印象から右肩上がりで株が上がっていった。

モテモテなカズトは、常識人にも見えるけど、YouTuberの姿とは違うように見える。うーん。一番の常識人はリョウタかもしれない。テホンも良かった。イクオはダイと同じ星の人。これで全員でたかな。

制作側としては、より幅広い層にアピールできる番組にしたかったはず。ゲイの恋愛のリアルさより、「これもアリだね」と思わせるように作られていた気がする。

例えば、タチ・ウケ問題。日本国内で恋愛するゲイにとって、「タチですか?ウケですか?」と確認するのは最初期において大切な工程です。そこをすっ飛ばすと、いろんな意味でフラストレーションが溜まってしまう。でも番組内では、そこは問わないということにしていた。

あとは、みんな綺麗すぎる。
恋愛リアリティ・ショーだから仕方ないけど。あんな綺麗なゲイばかりだと、BL的想像の範疇でしかゲイを想定できなくなってしまうんじゃないか。コーヒーワゴンで身動き取りづらいほどデカい人もいれば、グリーンルームの雰囲気に合わない服しか持ってない私みたいなセンスの人もたくさんいるはず。

まあ、一発目キャスティング大変だったろうけど、これだけ話題になれば積極的に出たがるゲイもたくさん出てくるはず。シーズンでもっといろんなゲイ見られると、より楽しく鑑賞できると思います。

いろいろ言いましたが、これほど挑戦的な企画を成功させた制作陣はスゴい。けど、ステレオタイプでBL的になりすぎると、それはそれでゲイにとっての弊害になりそうだから、シーズン2ではもっと個性溢れる出演者をキャスティングしてほしいと思いました。

しかし、最後のデートで、ゲンセイちゃんとリョウタだけグリーンルーム戻ってきていたのはなんだったんだろう。予想外過ぎて宿泊先が手配出来なかったのかな?そうだとしたら、ゲンセイちゃんがかわいそうすぎる…。

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