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今日の読了本「スモールワールズ」
最近読書より、Youtubeのショート動画をひたすら流し続けていて、心身の疲労を感じています。疲れをとるため一日寝たりしてみたのですが、今日はようやくアトリエに行くために電車に乗り、車内で読書ができました。
今日の読了本はこちら。
一穂ミチさんの短編集「スモールワールズ」です。
文庫版を購入したので、収録作品は「ネオンテトラ」「魔王の帰還」「ピクニック」「花うた」「愛を適量」「式日」に加え、書き下ろしの「スモールスパークス」と全7作。
裏表紙の「生きてゆくなかで抱える小さな喜び、もどかしさ、苛立ち、諦めや希望を丹念に」描いた作品と評されていたこと、そして装画に使われている北原明日香さんの童話チックな立体作品に、読む前はなんとなくハートフルでほんわかとした短編集なんだろうなあと思っていました。
ところが読み進めると、どの作品もどこか人生の残酷さや、一筋縄じゃいかなさが詰まった、人生の一場面の切り抜きを見ているようでした。
個人的に好きだったのは、5作目の「愛を適量」。冴えない教師として変わり映えのしない毎日を送る父「慎吾」のもとに、かつて向き合うことのないままに別れた子ども「佳澄」が成長して訪ねてくる物語。
料理においても、人間関係においても「『適量』がわからない」慎吾が、突然会いにきた佳澄と会話を交わし、少しずつ変わっていく様子は、どこか不器用でおぼつかず、なんだか自分の父親を思い出しました。
私の父も、不器用な人で、今は酒に溺れながら生活しています。頑固な人なので、私が会いにいったり、ご飯を作ったり、世話を焼いたところでその生活は大きくは変わらないと思います。
でもだからといって、対話を断つのは、それこそ「適量」をわかっていない極端な考えなのかもしれません。久しぶりに、銀座のアンテナショップで日本酒といぶりがっこでも買って、実家に帰ってみようかなと思いました。
明日からは何の本を読もうかな。おすすめあったら教えてください。
今日はここまで!おやすみなさい。