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半衿狂騒曲

着物好きなら、こだわっている人も多いのが、「半衿」(はんえり)だ。

半衿とは、長襦袢の襟のところに縫い付けられている布のことで、主に次の3つの用途で使用されている。

①長襦袢の衿部分を汚れから保護するため
②衿芯を通すため
③装飾のため

私がいつも着ている長襦袢は、ポリエステル製のため自宅で洗濯できる、かつ最初から半衿がついているため、③の理由で半衿の上からさらに半衿をつけている。

半衿を縫い付けた状態

半衿をつけるときのマイルールは、白以外のはっきりした色の糸で縫い付けることだ。

最初のうちは白い糸で縫い付けていたが、それにより悲劇に見舞われた。

なんと半衿を外すときに、誤って長襦袢に最初からついている衿の方の糸を切ってしまい、その中にある三河芯が外れてしまった。

しまったと思ったときにはもう遅い。復旧を試みるものの、芯というだけあってすごく硬いため、2、3針ほど縫ったところで挫折。

結局、工賃を支払って呉服屋さんのお世話になった。その工賃は、勉強代だったと思っている。

この経験から、半衿を縫い付けるときは、外すときに切る糸を間違えないように糸の色を変えるようになった。

上記の写真では緑色の糸で縫い付けている。上から着物を着てしまえば見えない部分なので、白以外の糸で縫っても全く影響はない。

さて、半衿をつけるときのお薦めアイテムをご紹介する。

机上くけ台 と かけはり だ。

写真左が「くけ台」、写真中央付近にあるのが「かけはり」

机に固定したくけ台に、かけはりを取り付け、かけはりに長襦袢を挟んで使う。

半衿を縫っている間、引っ張っていてくれるため、効率が段違いだ。あくまで個人的な感覚だが、縫い付けられるスピードは倍になり、首や肩へのダメージが1/5程度に軽減した。

(昔ながらの)くけ台は、おばあちゃんの家にある謎の棒としか思っていなかったことを反省した。

なお、写真では、机を保護するために間にタオルハンカチを嚙ませているが、基本的には直接机に挟んでも問題はないだろう。

最後に。
縫いものが苦手な人も安心してほしい。今どきは半衿専用のテープや、ジッパーでつけ外しができるように加工してくれるサービスもある。得意不得意やライフスタイルに合わせて、工夫しながら楽しめばよいと思う。

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白豆腐 着物×推し活
テクニカルライターをするかたわら、趣味の着物やオタ活をしています。