初めてのお題チャレンジ!「あのゲームを初めてやった時の事を厨二病全開で再現してみた」
あれはもう今から20数年前の幼き頃の話。
私はある挑戦をした。
「竜の支配者への道」
過酷で冒険に満ちた挑戦。
その使命を担う道だ。
初めての経験に幼き私は不安とワクワクが入り乱れていた。
そして恐る恐るその世界へと身を投じた。
神聖なるBGMが流れる空間…
そして目に飛び込んできたのは華やかな王冠を被る人物だった。
私は状況が飲み込めると同時に衝撃を受けた。
なんと今正に私は一国の王と謁見中なのである。
どうやらこの世界では私はすでに王に謁見するほどの英雄と言ってもいい地位にいるようだ。
一国の王に仕える偉大なる戦士。それが私だ。
そして王から絶大な信頼のもと、ある使命を授かる。
「城下町に起こる奇怪な事件を解決してほしい」
なにやら王のおっしゃることによると神隠しの如く街や近隣の村の子供が消えるというのだ。
その様な一大事。国を挙げて捜査すればいいものを…と一時は思ったが私などには知り得ない理由があるのであろう。
素直な幼き私はただただ憤慨した。
さぞ消えた子供は恐怖に慄いていることであろう。
そして残された親は…
もちろん私は快諾した。
仰せのままに。
望むところである。
城を後にし、城下町で住人に事情聴取を済ませた後、私は近隣の村に行く事とした。
初めての外の世界。
私はワクワクしていた。
しかし、城を一歩外に出た瞬間。
ヤツラが現れた。
魔物である。
しかしながら、その現れた生物は「魔物」という表現とは裏腹につぶらな瞳のぷるぷるとした可愛げすら感じる生命体だ。
この見た目ならば、うちで飼っている雑種犬のポパイの方が絶対に強い。
少し話が逸れるが
ポパイは散歩中、他の犬と鉢合わせになると見たこともない形相で正に殺し合いをしようとするのだ。
何度かリードを離れその殺し合いに転じてしまった事がある。その時の正に「命のやり取りたる戦い」は幼き私には恐怖そのものだった。
そう、その命のやり取りを目にした事がある私からすれば、今目の前にいる生物はキーホルダーにしたいくらいの可愛げすらある。
しかし、所詮魔物。
こちらの初動を待たずして有無を言わさず襲ってきたのである。
多少の痛手を被ったが私は
「フフフ…舐めるなよ。私は王から絶大なら信頼をされる戦士なるぞ!」と意気込み反撃に転じた。
偉大なる戦士たる私の一撃。
市民を恐怖に陥れる魔物へその鉄槌を与えた。
しかし、予想とは裏腹になんと私の一撃は私自身の期待を大きく外れ、この可愛げのある生命体にすら微々たるダメージしかあたえられなかった。
何とかこの初めての戦いに勝利し、私は自分の非力さを身をもって自覚した。
改めて旅への危険に身を引き締めたのである。
旅の道中、何度か数種類の魔物に遭遇する事はあったがその一戦一戦の経験から確かな自身の成長を実感していた。
その成長を感じるたびに頭の中で確かなファンファーレが鳴り響くのである。
その度に
私ならやれる!必ずや民の平和を取り戻して見せる!
と自信も付いてきた。
村に無事に着き村人へ事情聴取を行うと、一人の囚人と出会った。
何やらピンと来るものがあり、私は急いで城下町に戻り、ある女性に事情を話した。
そしたらその女性はなんと「私をその男性の元へ連れて行ってほしい」というのだ。
しかし、外は魔物が蔓延る危険な世界。
でもその女性の熱意に負け、私はその懇願を承諾した。
何度も一歩後に続く女性を気にしては
「この女性を守りながらとなると先程とは大違いな旅になるだろう」
と覚悟したがそれは杞憂に終わり難なく女性を青年がいる村に送り届ける事が出来た。
空気の読める魔物達である。
そして、なんとその女性が言うにはこの青年こそ、失踪した自分の亭主であると言うのだ。
しかし問題はその亭主は記憶をなくしていたのである。
でもここは夫婦の愛のなせる技。
幼き私にはまだ理解出来ない「ぱふぱふ」なる奇怪な行動で無事青年は記憶を取り戻したのだ。
大人は凄い。
後に「ぱふぱふ」とはなんなのかを現実世界で父に聞いた事がある。
しかし私が幼いためか教えてもらえなかった。
今更ながら幼き故の無知は恐ろしい。
父よスマン。
そして私は初めて民の役に立ち、王の命を全うしたのである。
そして記憶を取り戻した青年から奇怪な話を耳にした。
妙な靴を履いた途端、子供が空に消えた
というのだ。
そして森の中にある「秘密の遊び場」なる場所の情報を手に入れた。
私は確信した。
そこに何かしらのヒントがある!と。
しかしその「秘密の遊び場」への行き方がまた不可思議である。
村を出て、西へ数歩。そして南へ数歩。
との事。
数歩って…
その程度では「秘密の遊び場」なる場所は庭先にでもあるというのか…
私は考えた。そしてある事を思い出した。
城下町からこの村までの旅のことを。
そう、私の一歩は巨人すら感じさせるほどの一歩を踏めるのだ。
森の木を軽々と踏み越えるほどに。
数歩と言ってもその一歩の繰り返しは用意に森へと届いてしまえのではないか…と想像が出来た。
そう思いついた途端、私は居ても立ってもいられず、いざ試してみる事とした。
その結果見事に「秘密の遊び場」を見つけ出した。
それは古井戸である。
私は恐る恐る中に入ってみることにした。
その井戸はただの井戸ではなかった。
奥へ奥へと道が続き、見たことのない新たな魔物が蔓延る魔の巣窟と化していたのだ。
とんだ「遊び場」である。
その魔の井戸で私は何度か死に目を見た。
中には気絶でもしたのか「教会で目を覚ます」という事もあったがなんとかその魔の巣窟を制覇した。
そこで得たものは沢山あった。
あの青年が言っていた空へ舞い上がらせる摩訶不思議な靴…
覇者にふさわしいと言われる囂々たる剣…
そしてなんと私の孤独な旅に仲間が出来たのである。
つぶらな瞳にフワフワと風に靡く金色の足…
しかし、私は初見では身構えた。
そう「彼」は魔物だからである。
しかし、彼は言葉が通じ、心優しい性格と何より夢を持っていた。
「人間に憧れている」
というのだ。
健気すら感じるピュアさと、ある意味でとてつもない夢をもったヤツだ。
ここに鏡がなくて本当に良かった。
私はすぐさま彼を気に入った。そして「旅へついて行きたい」という彼の懇願を快諾した。
そしてその彼は私の世界が一変するほどのある「魔法」を持っていた。
なんと彼は度重なる魔物との死闘で受けた傷を癒すチカラを彼は持っていたのだ。
今までは傷を負った際、道端で薬草なる雑草を傷に付けるという何とも原始的な応急処置しか出来なかった私にとっては正に奇跡にちかかった。
そう、この世界には医療機関が一切ないのだ。
強いて言うなら教会がその役割を果たすが狂気の沙汰である。
この旅を終えたら王に提案してみよう。
なんとも頼もしい見方を得たのかと私は歓喜した。
そして彼のおかげもありどんどん旅を進める事が出来た。
そして遂に手に入れた奇怪な靴で陸の孤島にある不気味な塔へと足を踏み入れた。
そここそ私がこの旅の「答え」となる何かあると確信する場所だった。
しかし私の考えは甘かった。
そこで私は何度と無く気絶し、また教会で目を覚ます。と言うことを繰り返した。
そう、その塔は今まで見たこともなく、恐ろしい程の強さを持つ魔物が蔓延る魔の塔だったのだ。
しかし、決して私は諦めなかった。
そう、私は竜の支配者になると決めたからだ。
しかしながら、何度と無く戦い続け、旅をする上でなんとも解せないことがあった。
出くわした魔物と対峙した際、先の古井戸にて手に入れた「覇者にふさわしいと言われる囂々たる剣」でいくら攻撃しても「切る」のでは無く不思議な炎を放つのだ。
始めは凄いチカラだと歓喜した。
しかし、残念ながら剣から放たれる炎はその表現とは裏腹に期待するほどでもなかったのである。
これでは私が力の限り殴り倒した方が効率が良かった。
ここで一つの種明かしをするが幼き私は「装備」という所作を知らなかったのである。
正に今まで布一枚を羽織り、ただただ己の拳のみで襲り来る魔物と戦い続けていたのだ。
今思えば、勇敢というより、何とも無茶な所業だったことか。
しかし、無知故に私は強かった。
決して諦めなかった。
そして再三なる私のチカラの研鑽は極限を極めつつつあった。
確たる成長を告げる頭の中のファンファーレはもうかれこれ20数回にもおよんだ。
その頃になると私達に出くわした途端に魔物達は途端に背中を向けていた。
出ては消え、出ては消えを繰り返し、魔物が蔓延るこの世界では私は海を割ったモーゼの如く歩を進める事となっていた。
しかし、ここまで強くならざる得なかったのには理由がある。
塔の最上階にある部屋にいた二匹の魔物のためである。
そして自ら「手先」と名乗る此奴らこそがこの地に起きる奇怪な出来事の元凶だったのだ。
此奴らを討ち取ることが正に私の使命だと確信した。
王の命に報いるためにも、私の存在価値の為にも討ち取る事が絶対となることが分かったのだ。
しかしながらこの魔物達は強かった。
他の魔物にはない不思議なチカラを使い、そして何より純粋にただただ強かったのである。
そう、その魔物どもは正に魔物世界のその近隣ではボスたる存在だった。
仲間の「彼」の魔法を持ってしても私は度重なる「教会で目覚める」と言う不可思議な気絶を繰り返した。
ここで少し話は逸れるが
今大人になってから思うのだが
この魔物にとって私は正に恐怖そのものだっただろう。
倒しても倒しても挑んでくる謎の髭面の男。
話すのは一方的に自分達。
一切しゃべることもない。
そして何より奇怪なのは、持ち物には沢山の武器や鎧を持っている事が伺えるが、なぜか敢えてか身に付ける事なく、ただの布の服をまとい、ただただ己の拳のみで挑んでくるのだ。
正に魔物からしたら「なんなんそのストイックさ」である。
倒しても倒してもなぜか生き返っているかの如く挑んでくる髭面男。
そしてなぜか少しづつ強くなっている気がするのだ。
とんだチートである。
そしてその魔物どもにとって終盤の頃は一線一線が正に恐怖だったであろう。
一切喋りもしない、布一枚を纏った髭面の男がモーゼの如く部下を掻き分け挑んでくるのだ。
想像するだけで色々な意味でゾッとする。
話を戻そう。
そしてついに私のチカラの研鑽が上回る時が来た。
その魔物どもを命辛々倒したのである。
倒した瞬間、私は歓喜に打ち震えた。
走馬灯のように今までの出来事が思い返させた。
フワフワと浮く「彼」にも深く深く感謝した。
私はこの国の平和を己の拳ひとつで取り戻したのだ。
そして私は無事、元凶を打ち取ったことを王は報告に行くと王から褒美として多くの「経験」なる物を頂いた。
その次の瞬間ファンファーレの嵐が数回頭の中で鳴り響いた。
この王はどうやらナメック星の最長老と同じ力を持っているようだ。
正直早く言ってほしかった。
そして更に王は私の願いをひとつだけ叶えてくれると言うのだ。
そして私は言った。
先の自ら「手先」と名乗る魔物が言っていたのである。
「この国ではない、別の国に狙うべき「子供」がいる事が判明した」と。
私は放ってはおけなかった。
「その子供のチカラになりたい」
その願いを王は認めてくれた。
そして旅を続けた。
沢山の冒険の後、世界で沢山の経験を積んだであろう「仲間」と合流した。
同時にそこで初めて私は「装備」という所作を覚えた。
その途端、あの頃ただひたすら続けたチカラの研鑽が私に他の追従を許さない揺るぎない強さを授けていた事を知った。
そして私はこのチカラを真の「竜の支配者」になるべくして産まれた青年のためにふるった。
そして長く苦しい旅を潜り抜け、遂には魔物の王たる存在を仲間と共に討ち取り、全世界の民に平和という贈り物をしたのである。
完。
コレがゲームにただひたすら時間をかけまくった小学5年の頃の話。私が初めてドラクエ4 やった時の話です✨
いゃ〜「装備」を初めて知った時は震えましたね😂
「あん時のレベルアップの時間返せや💢」ってなりましたもん🤣
でも第五章でのライアンの強さは凄まじかった。
ここまで読んでいただいたどうもありがとうございます😊