あなた 【散文詩】
花束はどうして、あなたの腕の中を選んだのでしょう
花束はどうして、あなたに美しさを与えたのでしょう
機械があくびをする夜に、花は夢をみて呼吸する
あなたもまたあくびをして、花と同じ夢をみる
わたしが摂取した薬はとっくにプラトー5を超えた
行く先もない迷路の中をずっと歩いている気分だった
君の愛おしい声だけがわたしの出口だった
わたしはどうしてここにいるの?
時間はゆっくり流れていく
ときに速く流れていく
口先からこぼれる愛してる
この世界の端っこで
渡り合えない二人でもよかった
たった二人だけの人生だから
精々踊っていようよ
この静かな夜だけは
ここに言葉を置いていこうよ
またいつかこの言葉に救われるように
ここに夢を捨てていこうよ
今ある幸せに気づいて拾っていけるように
きみのために風は吹いている そう思えるのはきみのかけがえのない生活が、日々が、 言葉となって浮かんでくるからだと思う きみが今生きていること、それを不器用でも表現していることが わたしの言葉になる 大丈夫、きみはきみのままで素敵だよ 読んでいただきありがとうございます。 夜野