またいつか

 自分が好きな物を人におすすめするのが苦手です。

思うに

子供の頃好きなアイドルの歌を友達にケナされた。

学生の頃、オススメの歌を集めたカセットテープを好きだった男の子に渡して告白したらふられたetc…。

数えきれない負の体験が私の行動を後ろに後ろに向かせます。

 でもね。

その頃の私は、相手と自分その物に対する温度を計るのが下手だっただけの事。

残念な体験と同じ位、いえそれ以上に私の意見を取り上げてくれて、
「あれ聞いてみたら良かったよ!」とか
「読んでみたらおもしろかった。」「食べてみたらおいしかった。」なんて言って下さる場面も沢山ありました。

大分わだかまりは少なくなったとはいえ、多感な時期の体験は未だに尾を引いていて、今でも誰かに何かを紹介する時は

「良かったら」「お時間のある時に」「気が向いたら」の一言に力がこもります。

 そして感想は聞かない、追わない。

 印象に残れば必ず返してくれるはずだし、返って来なくてもその方の元で何かになってくれればそれで良いと思うようになりました。


 前置きが長くなりました。




 昨年クリスマスから年末にかけて友人達に贈り物をしました。

画像1


「Night Songs」広沢タダシ

ギフトのパッケージが綺麗で温かくて…。それに乗っかりました。




 贈ったのは10年余のお付き合いとなった茶道の稽古仲間へ、無期限で稽古をお休みするご挨拶の品として。


この方々とは、社中 (師匠を中心とした稽古のコミュニティ) の定形のお付き合いよりやや踏み込んだお付き合いをしていて、稽古の後でご飯に行ったり、私の実家の介護の話にも耳を傾けてくれていました。



 だから、暫く会えなくなる節目の品なら私も一歩踏み込んだ「これぞ」という物をお渡ししたい。

昨年、新型コロナウイルスの緊急事態宣言下でとても丁寧に作られたこのアルバムを、美しい物、音、空気、時間に至るまで亭主(ホスト)や客、或いは裏方として感じて提供する訓練を続けている人達だからきっと何かを感じてくれるはず。と。



 年末の多忙を極める時期だったので、短めの(←つい頑張り過ぎる私にはこれ大事!) 手紙をつけて郵送でお送りしました。

手紙を書きながら、一緒に行った食事の事、稽古の難しさや裏話etc…。
色々な事を思い出しながら、稽古に打ち込んだ時間について、その方々と話をしているようでした。



 数日後、それぞれから早速取り急ぎのお礼のお便りを頂きました。



CDの感想は??

ここが気になる所ですが聞くのは野暮。
今はその方の元で曲達が根付いて花開く事を願いつつ。





 また色々な事が落ち着いたら、いつか実際にお会いして、お茶の事や音楽の事を楽しく話せる日を願ったりしています。

その時はこっそりCDの感想を??

 いやいやそれは。



 それまで元気で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?