おまけ✴︎日食の祭り
明日はいよいよ日食。
夏至と日食と新月が重なって、ちょっと特別な感じがする。
気がつくと、月のステーションから2人で地球を見ていた。
白くて無表情な人たちが連なって登ってくる。
この日をいっぱいの人が待ってたんだねえ。
そう言うと片割れは、自分の番が来たからと何処かに呼ばれて行った。
私は、明日のことを考えている。
あと◯◯時間。この日のための準備が報われますように…。
✴︎✴︎✴︎
そして、翌日。
はじまるよ〜!
はやく〜!
の呼び声に急かされながら、私は変性意識に入った。
約束の時間ピッタリだ。
下方に地球が見える。
私たちは三方向から蜘蛛の糸を放つ。そして地球を包み込んだ。
するとそこへ獅子舞がやって来た。
まるで祭りの開催を祝うかように、獅子舞が舞い始めた。
地球の周りをぐるっと一周。ゆっくりと踊っていった。
見つめていると獅子舞に蛇が重なっている。
2人で重なって舞っている。
蛇はなんだか尺取り虫みたいでぎこちなかったけれど、喜びや、祝いに満ちた感情が伝わって来た。
一周をまわり終わるとカウントダウンがはじまった。
5
4
3
2
1
そして蜘蛛の糸をゆっくり引っ張り上げた。
すると、地球が消えた!
いっせいに私たちは、宙へと飛び立った。
皆が手を繋いで、新しい地球を見ている。
そしてもう一度掛け声とともに、新しい地球への降下がはじまった。
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