溶けてしまえ
何度も呟いたそれは人に聞こえることはなかった
「そんなはずない」
あなたの1日を間接的に知るたび、私の心が放置されたチョコレートのように溶けだす。
溶けかたはチョコレートのようだが、それは甘くも美味しくもない
自分の心の下の下の下の方、汚れきった沈殿物のような腐敗したような形を留めないもの
それがその呟きと共に溶けて掬われ上がってくる、上へ上へ上へと
吐き出してしまいたいけど形はない。口からは出てこない
脳を刺激して、心から溶け溢れ上下が反転するほどの揺らぎをする
落ち込むとか動揺するとかそんなんじゃない
ただ自分の愚かな部分、腐りきった部分が露になり始める
溶けだすそれを指でなぞって舐めてみたい。どんな毒薬よりも効くだろう。
終わりになればそれでいい。
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