![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157097014/rectangle_large_type_2_9233cec37113466949f9c7c8a8379682.png?width=1200)
人間は他人とすぐ比べてしまうけど、ヒヒはどうなんだろう?という話
なかなか、他人との比較をやめられない生き物、それが人間。
同じ年齢なのに職場でバリバリ活躍している同僚を見たり、友人が自分よりも広くて豪華な家に住んでいたり。
高すぎて買うのを諦めたブランドの服を、自分よりもかっこよく着こなして颯爽と歩いていく人。飲み会で、自分よりも異性と上手に会話を楽しんでいる後輩の姿。
どんなシーンで比較してしまうかは個性が光るところですね。それでも、何かと比べてモヤついてしまうのは、誰もが経験したことがあるでしょう。
できることなら、この「他人との比較グセ」から解放されたいですよね〜。本屋さんに行けば、「比べずに自分らしく生きる方法」といったタイトルの本がずらりと並んでいるのを見かけます。
それに、誰とも比べず、自分らしくのびのびと生きている人を見かけると「かっけぇ〜!」と感じますよね。
紀元前から「他人と比べるな」と言われている
比較グセを手放すのは、きっと私たちが思っている以上に難しいんじゃないかと思います。単に「気にしない」と言うだけでは解決できません。
なんなら紀元前から「他人と比べるのやめようぜ〜」的なことは言われてきているみたいです。
不自見、故明。不自是、故彰。不自伐、故有功。不自矜、故長。
こちら、老子の「道徳経」に記されているそうです。
「自分を見せびらかさないから明らかになり、自分を正しいと思わないから際立ち、自分の功を誇らないから功績があり、自分を高ぶらないから長く続く」
ぐう、令和でも刺さる。自分を他人と比べ、優越感に浸ったり劣等感に苛まれたりするのではなく、謙虚に自分の道を歩むーー。大事ですよね……。
不安が強い人は他人と比べてしまいがち
私たちはなぜ、他人と自分を比較してしまうのでしょうか。その要因の一つとして、「不安」が考えられるっぽいです。
組織や集団から外されてしまうのではないか、将来がどうなるかわからない、自分はこんなに低能でダメなのではないか...。このような不安が、私たちを比較へと駆り立てているのかもしれません。
約1000人を対象とした調査研究によると、不安症状が強い人ほど、他人と比較して「ああ、なんて自分は...」とネガティブになりやすい傾向があるそうです。
幸福感というのは、何かしらと今の状態を比較することで感じられると著者は述べています。具体的には
他人
過去の自分
常識や規範
『もし〇〇だったら...』のような想像
と自分を比較することで知覚されるものみたいです。そして不安が強い人は上記のようなものと自分を「否定的に」比較してしまう傾向があるそう。
つまり、他人や過去の自分、世の普通と比べて、なんて自分は劣っているんや……と。
そのような比較をすると、不安はさらに強くなる傾向があったとも言われています。思いっきり堂々巡り。
なのにわざわざ、なぜ比較してしまうのでしょうか?その理由のひとつは、不安が強いとき=幸福を客観的に評価しづらいから、と言われています。
客観的な幸福ってそもそもなんやねん、という話ではあります。しかしいろんなものに対し敏感に不安を感じてしまう人は、手っ取り早く「自分は幸福だ」「大丈夫だ」という情報を得るために、他人と比較するようになってしまいます。
他人と比べることで、手っ取り早く、安心材料を見つけたいわけです。でもそんな材料は見つかりません。他人との比較はキリがないですしね。
結果さらに不安になり、不安が強くなれば他人と比べてしまい……
というのが、著者の意見や過去の研究のざっくりしたまとめです。
もちろん、不安や比較の間に絶対的な因果関係があると断言するのは早計でしょう。でも心当たりあるんですよね。僕も、将来への不安とかが強いとき、他人に目が行きがちな気がします。
だからこそ「他人?それがなんやねん」な人がテレビに出たり、本を出版したりできるのかもしれませんね。
結局のところ、「比較する」という行為は、もはや人類共通の機能と言えるほど根深いものなのかもしれません。だからこそ、単純に「比べるのをやめよ♪」程度では、どうしようもないんでしょう。
いや、もはや人間だけじゃないのでは?なんか他の動物種も困るほどのでかい問題なんだとしたら、比較グセに対する向き合い方も相当変わりそうな気がします。
人間以外も他人と比べてしまうのか?
なら聞いてみましょうや。例えば「ヒヒ」パイセンとか。
![](https://assets.st-note.com/img/1728282141-7HhZlWaujqPmrVisL1GREMzO.png)
人間と同じ霊長類。社会性を持つ動物であり、100体以上で群れになることも。
そんなヒヒ先輩も他者との比較を行っているのか?という実験が行われていました。
その内容は、ヒヒに簡単な課題を与え、他の個体の成績を見せながらその反応を観察する、というもの。結果、自分と似ている個体が自分より優れた成績を出すと、自分のパフォーマンスが上がる傾向が見られたのです。
この現象、人間が行う他者比較と似ている部分があるらしいです。自分と似ている人が自分より優れていると「おいらもがんばるぞい!」的な。
ただし、人間の他者比較はヒヒのそれよりもはるかに複雑で、時に厄介なものです。ヒヒは単純に成績の向上や低下という直接的な反応を示しただけみたいです。一方の人間は、いちいち他人と比べて落ち込むし、嫉妬感情をメラメラさせちゃうし、より複雑な感情や思考を伴います。
この違いは、きっと人類の進化の過程で徐々に形成されてきたものなのでしょう。「高い知能」という強力な武器を得る代わりに、なんだか厄介なものを手にしてしまっているような気がします。
結局、ここまで他人とモニョモニョ比較してしまうのは人間特有っぽいですね。とはいえ、単なる個人の癖や性格の問題ではなく、種としての人類が獲得してきた特性の一部なのかもしれません。
そう考えると「比較をやめよう」と単純に言うのではなく、そのような特性とどう向き合うか見直してみるのも重要かも。
比較グセを手放すには?
では、この「比較グセ」を手放すにはどうしたらいいのでしょうか?いろんな文献をチミチミ読んできましたが、「物差しを変える」のが大切なんじゃないかなと感じています。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?