身魂(みたま)の磨き方 9
こんにちは、白山大地です。
私たちにやってくる苦しみは、過去のメグリ(カルマ)の清算と、身魂磨きのためと述べました。
しかし、メグリの清算と身魂磨きは、苦をいただかなくともできるのです。それが、「喜びを生む」ことです。
たとえば、こんな例を考えてみます。ある夫婦は、争いごとが絶えませんでした。それは、逆縁だったからです。逆縁とは、お互いにメグリを清算するために縁が結ばれることです。
過去世では、夫が妻を殺害していました。そのため、妻は少しのことで腹を立て、何かにつけて夫に文句をいうようになりました。小さな苦を与えていたのです。それはもちろん、過去世のメグリを少しでも清算するためです。
それに対して、夫は、初めは我慢していましたが、とうとう我慢しきれずに暴力をふるうようになります。するとある時、夫の暴力に耐えきれなかった妻は、とうとう、寝ている夫を殺害してしまったのです。
この場合、過去世で夫が妻を殺したことで生じたメグリの清算は、今度は夫が殺されるということで果たされました。しかし、今度は、妻が夫を殺したことで新たなメグリを生んでしまい、お互いにメグリを清算するという目的は果たせずに終わりました。
それに対して、妻が些細なことで腹を立てたら、夫が喜びを与えることで返していたらどうでしょうか? 夫は、多少理不尽と思いながらも、妻を立ていつも優しく接していたら、妻も過去世から引きずっていた不安の感情も和らぎ、少しずつ夫婦円満になっていた可能性もあるのです。
そして、お互いが幸せのまま人生を全うすれば、二人のメグリも解消し、当初の目的も達成されるのです。
もちろん、途中で離婚しても構いません。メグリが解消されれば、自然に離れていくということもあるからです。
夫は、仕事だけでなく、家事や育児も積極的にこなし、妻をフォローすれば、自らの身魂も磨かれていきます。
苦を受けながらも喜びで返すことは、立派な修行なのです。座禅を組んだり、滝に打たれたりすることだけが修行ではありません。